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【ふりかえってみよう 日常歯科保険診療A】
―歯周治療用装置の勘所―

(全国保険医新聞2016年1月25日号より)

 

 保団連歯科社保・審査対策部では、日常の歯科保険診療において留意すべき点をシリーズで伝えていく。自身の診療をふりかえりながら再度確認し、明日からの保険診療の一助として活用いただきたい。

 歯周治療用装置については、前回改定でかなり要件が緩和され、実際の臨床においても適応となる症例が増えたことから、変更点について整理する。

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▼対象患者 重度の歯周病で長期の治療期間が予測される歯周精密検査を行った患者。改定前は歯肉切除手術、FOp、GTRの歯周外科手術を行うことが要件であったが、歯周外科手術を行わなくても、抜歯に至るような重度の歯周病患者も対象となる。

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▼算定時期 歯周精密検査後。改定前は、歯周基本治療終了後の精密検査後であったものが、初診時でも算定できるようになった。

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▼冠形態のものは、1歯につき50点を算定する。冠形態のものを連結したブリッジタイプのポンティック部も、1歯につき50点を算定する。病名については、FMC等形成時と同様に、C・Pul・Per等の硬組織疾患病名、ブリッジタイプはMT病名が必要。

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▼床義歯形態のものは、欠損歯数にかかわらず、1装置につき750点を算定する。床義歯に付属する人工歯、クラスプ、バーなどは算定できるが、印象採得、咬合採得、試摘、装着、義管、歯リハ1、修理、Tcond等は算定できない。義歯と同様にMT病名が必要。

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▼症例  【主訴】・前歯がぐらぐらで、咬めない・奥歯が動いていて、咬めない等で来院【検査】X線検査、歯周精密検査の結果、重度歯周病と診断。【治療計画】重度歯周病の歯牙については抜歯、他部位については、必要に応じて歯周基本治療または歯周外科手術等を行う。要抜歯の処置後、歯周治療用装置(冠形態―ブリッジタイプまたは床義歯形態)を装着。抜歯窩の治癒を待つ期間に他部位の治療を行う。

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▼歯周病の病状安定、抜歯窩の治癒を確認後、最終補綴物の製作に移行する。

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▼床義歯形態の歯周治療用装置については、以下の疑義解釈が発出されている。
(問)歯周治療用装置・床義歯形態のものを装着後、新たに欠損を生じた場合、追歯を行い咬合回復した後、人工歯、鉤等の算定はよいが、義歯修理の算定はできないのか。
(答)修理の算定はできない→修理は算定できないが、新たに使用した人工歯、鉤の費用は算定できる。

(問)床義歯形態のものを装着後か月以内の有床義歯の製作は認められるか。
(答)認められる。
重度の歯周病で長期の治療期間が予測される患者に対して、活用していただきたい。

以上