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消費税対応 17年度に結論
―医療機関損税はゼロ税率で解消―

(全国保険医新聞2016年1月25日号より)

 

 昨年12月16日に決定した自民・公明両党の与党税制改正大綱は、医療機関の控除対象外消費税(いわゆる「損税」)問題について、「2017年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」とした。
 損税問題は2013年度の与党大綱以来、検討課題として挙げられてきた。今回初めて年限を示し、「結論を得る」と明記された。
 17年4月に税率が10%に引き上げられようとする中、これ以上の損税負担は医療機関の経営のみならず、地域医療のあり方にも影響し、患者・国民の受療を妨げることになる。医療界は一致して、抜本解決を求めてきた。その方法として、保団連は「ゼロ税率」(※)の適用による免税を求めている。これによれば、患者・国民に消費税を負担させず、医療の実質非課税を堅持したまま、損税を解消することができる。

診療所には「診療報酬上乗せ」案も

 与党大綱の公表に先立ち、日本医師会の横倉義武会長は11月に行われた講演で、病院には仕入れ税額控除を導入し、診療所には診療報酬改定のたびに消費税分を上乗せする方法に言及。メディアへの取材に「有力な検討案の一つ」と述べた(メディファクス1月6日付)。
損税負担が特に重い病院に配慮したものと見られるが、昨年11月の中医協消費税分科会では診療報酬での上乗せ対応は限界との意見で診療側、支払側双方で一致しており、診療所への手当てはなお課題だ。制度が複雑化する懸念もある。
また横倉会長は、高額設備投資への手当てとして、例えば地域医療構想に沿うなど一定の条件の下で新たな基金を創設し、手当てする方法を挙げ、「検討に値する一案」としている(メディファクス同前)。

※ゼロ税率
保険診療を課税売り上げとみなし、消費税ゼロ%で計算する。仕入れなどに支払った消費税額は全額控除でき、還付申告によって損税を解消する(図)。

図 ゼロ税率による損税解消

以上