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診療報酬―保団連の視点[医科D]
―在宅自己注射は臨床実態に配慮した運用を―

(全国保険医新聞2016年1月25日号より)

 

 保団連は、在宅自己注射指導管理料について、前回改定で追記された導入前の「入院又は週2回以上の外来、往診、若しくは訪問診療」により、医師による十分な教育・指導をした場合に算定するとの要件の撤回などを求めている。
 臨床現場では、受診当日にインスリン導入が必要な重症者や妊娠糖尿病の患者等がいる一方、2週に1回の注射の場合等患者の幅が広い。一律週2回以上の指導等よりも、患者の病態や理解度を勘案して医師の判断で導入できる形が合理的だ。
 現在、在宅自己注の算定回数(2014年)は月88万回と在宅療養指導管理料の中で最も多い。高齢化等に伴う糖尿病、関節リウマチ、骨粗鬆症等の増加で一層の増加が見込まれる。在宅医療を円滑に進める上で、臨床実態に配慮した取り扱いが求められる。
 16年改定に対する「中医協診療側の意見」でも、週2回以上等の要件は「遠隔地患者(離島等)に対する例外規定」がなく「地域医療を混乱させる要因」になっているとして、「『導入期加算』の算定要件に限定すべき」としている(12月25日 中医協総会「総-4-2」P.5)。
 その他、中医協で、2以上の医療機関で、同一患者の異なる疾患について在宅自己注射指導管理を実施している場合に併算定を認める方向が示されている(12月11日 中医協総会「総-1」P.51)。他方、評価について注射回数の多い場合を下げ、少ない場合を上げる方針も出ており、動向が注視される。

ああ
12月11日 中医協総会「総-1:○個別事項(その6:技術的事項等)について」P.51

以上