輸出品に同様の仕組み
―「ゼロ税率」で損税解消を―
(全国保険医新聞2016年3月5日号より)
昨年12月6日に決定した与党税制改正大綱は、医療機関の控除対象外消費税(いわゆる「損税」)問題について、「2017年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」とした。
消費税8%への増税の影響で病院を中心に医療機関の経営が悪化している。
17年4月に予定される10%への引き上げで損税負担は医療機関の経営を崩壊させ、ひいては地域医療にも影響する。
医療界は一致して、損税問題の抜本解決を求めてきた。その方法として、保団連は「ゼロ税率」の適用による免税を求めている。
「ゼロ税率」は保険診療を課税売り上げとみなし、消費税ゼロ%で計算する。仕入れなどに支払った消費税額は全額控除でき(仕入れ税額控除)、還付申告によって損税を解消する(図)。患者・国民に消費税を負担させず、医療の実質非課税を堅持したまま、損税を解消することができる。
輸出品や国内の免税店での取引については「国外消費には課税しない」との趣旨で免税が図られている。医療・介護を「ゼロ税率」とした上で、輸出品等と同様に仕入れ時に支払った消費税相当額を控除することで、実務的にも可能だ。
以上