医療者の人権尊重の立場で
―事故調査制度見直し―
(全国保険医新聞2016年3月5日号より)
2015年10月から始まった医療事故調査制度に関して、日本医療安全調査機構の発表によると、1月末日までの4カ月間で、医療事故報告件数は累計115件となった。院内事故調査結果は累計で15件。1月には遺族から同機構への調査依頼が1件あったことも報告された。
保団連は13年12月に見解を発表。医療事故調査制度が真に「医療安全」の目的を達するためには、医療者の責任追及につながらない運用が重要としている。医療者や患者の人権、プライバシーへの配慮、事故調査報告書を訴訟に利用すべきでないという社会的合意を図ることも肝要だ。
同制度は今年6月までに事故調査の実施状況を勘案して、見直しが行われる。その際、異状死体の警察への届出義務を定めた医師法21条の見直しも併せて検討される。
保団連は医療安全、医療者の人権尊重の立場で引き続き働き掛けを行うとしている。
以上