ホームニュースリリース・保団連の活動医療ニュース 目次

 

子ども医療の国保減額調整 「見直すべき」多数
―検討会報告書―

全国保険医新聞2016年4月5日号より)

 

 厚労省の検討会は、保団連が廃止を求めてきた自治体の子ども医療費の助成制度に対する国保国庫負担減額制度(ペナルティ)について、「早急に見直すべきとの意見が大勢占めた」とする報告書をとりまとめた。廃止に向け、さらなる取り組みの強化が求められる。

 現在国は、自治体が医療費窓口負担を助成すると受診が増加することを理由に、国保国庫補助金を減額するペナルティを設けており、これが自治体の子ども医療費助成制度拡大の障害のひとつとなっている。
 厚労省は昨年7月に子どもの医療制度のあり方を議論する検討会を設け、3月22日に5回にわたる議論の報告書をまとめた(3月28日子どもの医療制度の在り方等に関する検討会報告書)。

「少子化対策に逆行」

 報告書では減額調整措置について、「『一億総活躍社会』に向けて政府全体として少子化対策を推進する中で、地方自治体の取組を支援する観点から早急に見直すべきとの意見が大勢を占めた」とされている。
 また、検討会での減額調整措置に反対する意見として、「少子化対策に逆行」、「廃止により各自治体では他の子育て支援策に財源を充当できる」、「減額調整の仕組みが被用者保険では存在せず国民健康保険にだけ存在するのは不合理」、各自治体で「適正受診のための取組を進めており、一定の効果が認められる」などが紹介されている。
 報告書は今後、社会保障審議会・医療保険部会に報告され、厚労省が検討の上で結論を出す予定だ。

2月に大臣などに要請

 保団連が事務局団体を務める「子ども医療費無料化を求める全国ネットワーク」は2月に加藤勝信一億総活躍・少子化担当大臣と厚労省に、減額調整措置の廃止などを要請していた(全国保険医新聞3月15日号より(会員専用)要請記事はこちら)。同ネットワークでは、廃止を求める署名にも取り組んでいる。今後の厚労省での議論を注視し、減額調整措置廃止に向けた世論の喚起と要請を続けていく。

以上