上乗せ超過分を還付
―日医が損税問題解決案―
(全国保険医新聞2016年4月15日号より)
日本医師会は臨時代議員会で、消費税損税問題の抜本解決策として、同会医業税制委員会が答申した案(答申案)を基に、「17年度税制改正大綱に結論を記載することを目指す」ことを表明した。
答申案は、▽現行の非課税制度が前提▽診療報酬に上乗せされている仕入れ税額相当額2.89%を超過する負担がある場合には、超過額の控除(還付)を認める制度。
答申案について日医の今村聡副会長は、課税転換が政治情勢や国民的理解を得られることが困難な中、今回の提案は「次善の策」と述べた。また、「医療界が一つになれる提案」であるとした。
代議員からは、日医が従来検討してきた「課税転換」方針との整合性についての質問や、「税の問題は税で解決する」との原則は守ってほしいなどの意見が出された。今村定臣常任理事は、日医は当初から課税・非課税を問わず患者負担を増やさない制度の改善、税制による解決を求めてきた、「方向転換ではない」などと説明した。
もっとも答申案は、医療機関の規模や種類、診療科にかかわらず、一律に2.89%がこれまでの診療報酬での仕入れ税額相当額として補填されていることを前提にしている。この前提についてや、損税が2.89%を超えている場合には、依然損税は解消されないことになることについて慎重な検討を要する。
社会保険診療を真の意味での消費税非課税にするには、「免税」にする必要があり、ゼロ税率の採用が最善の方法である。保団連は、医療機関にも患者・国民にも負担を課さない最善策として、引き続き「ゼロ税率(免税)」を求めながら、医療界の共同も重視して取り組む。
以上