【TPP ここが問題】休保制度への干渉狙う
―TPPが壊す助け合い―
(全国保険医新聞2016年5月5・15日号より)
■規制求める意見書
TPP協議が重ねられる中、在日米国商工会議所(ACCJ)は、JA共済や認可特定保険業者に民間保険会社と同等の規制を課すよう意見書を提出している。
■休保再開までの8年間
2005年、マルチ共済など「無認可保険」を規制する名目で保険業法が改定され、各団体が行う共済制度も規制の対象となった。保団連の休業保障制度も規制の対象となり、保険会社となるか少額短期保険業者(ミニ保険)となることを迫られた。当時保団連は、どちらにも対応できないことから、13年まで新規加入申込みを停止し「維持管理」のまま制度を継続した。
保団連は同じような立場に迫られた登山団体や知的障がい者団体、商工団体、労働組合など、幅広い団体と共同し制度の存続を求めて議員要請や国会内での集会を重ねた。規制反対を訴える88万筆余りの署名が寄せられ、11年に「認可特定保険業者」制度を創設し共済制度の存続を認める法改定が実現した。保団連は「保険医休業保障共済会」を立ち上げ13年3月から保険医休業保障共済保険(休業保障制度)の新規加入申込みの受付を再開した。再開後、延べ4,600人の新規加入者を迎えている。
■国民医療発展のために
休業保障制度は1970年の発足以降、今日まで加入者の生活や医院経営を支えてきた。保険を販売して生業とする民間保険会社とは文化も運営精神も異なる。国民医療を守り発展させるため、休業保障制度など助け合いの共済制度への規制に反対する世論を広げていくことが重要である。
以上