拙速実施に懸念を表明
―新専門医制度で日医・四病協―
(全国保険医新聞2016年6月15日号より)
日本医師会と四病院団体協議会は6月7日、「新たな専門医の仕組みへの懸念について」とする要望書を発表した。
要望書では、地域医療現場の混乱への危惧や、地域の関係者の協議・連携が不十分であること、日本専門医機構(機構)の意思決定プロセスの問題点などを指摘。2017年度から拙速に行うのではなく、地域医療を崩壊させることのないように十分配慮した上で専門医研修を始めるよう、機構と基本診療領域の各学会に要望している。
厚労大臣が異例の談話
塩崎恭久厚生労働大臣は同日、日医・四病協の要望書に対する談話を発表した。
談話は、「医療を担う方々が、医師及び研修医の偏在防止、機構のガバナンスの抜本的見直しを要望した趣旨を、厚労省として十分理解する」と指摘。機構や各学会が、「医療関係者や地方自治体など幅広い方々の要望・意見を真摯に受け止め、なお一層の取組をされることを強く期待する」としている。
日医等の見解は、機構と学会に対して要望するものであり、厚生労働大臣の談話は異例。
保団連は4月発表の三浦清春政策部長談話で、「地域医療への懸念を払拭し、医療界の納得と合意」を図るべきとして、新専門医制度の拙速な開始をしないよう求めていた。
以上