高額医薬品への懸念あいつぐ
―日医 臨時代議員会―
(全国保険医新聞2016年7月15日号より)
横倉会長が3期目
6月25日、東京・駒込の日本医師会館において、第137回日本医師会定例代議員会が開催され、役員の選定・選任が行われた。会長のみ選挙となり、現職の横倉義武氏が3期目を決めた。
翌日には第138回臨時代議員会が行われた。横倉会長は所信表明で、消費税増税の再延期について「遺憾」を表明。今後は、消費税財源に代わる社会保障財源を別に確保することも併せて要望するとした。また、医療提供側としても持続可能な社会保障制度、国民皆保険の維持に向けて適正な医療費のあり方に向けた取り組みと提言を行っていくことが必要とし、官僚主導ではなく、医療現場を担う我々がイニシアチブを取ることが大切だと強調した。
「薬剤費の適正化が急務」
質疑では、高額医薬品の保険収載をめぐって、代議員から保険財政への影響を懸念する意見が相次いで出された。答弁に立った中川俊男副会長は、薬剤費の適正化が急務であるとし、「高額な薬価のあり方について中医協の判断機能を飛躍的に高めなければならない。医療保険財政の持続性を担保できる合理的ルール作りが必要」と述べた。また、特に高額な医薬品については、適正使用のガイドラインを整備し、高い専門性をもった医師が適切な処方をすることが不可欠だとした。
この他、2017年度の全面実施の延期が決まった新専門医制度、6月3日に公表された医師需給分科会「中間取りまとめ」、政府内で検討が進む審査の効率化・統一化等について執行部の見解を質す発言が出された。
以上