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【中医協ひろいよみ】オプジーボへの緊急対応、
外国平均価格調整の見直し

全国保険医新聞2016年9月5日号より)

 

 8月24日、中医協総会・薬価専門部会が開かれた。オプジーボの薬価引き下げをはじめ、高薬価是正へ向けて制度改革を求める意見が相次いだ。

 

対応案10月に示す

 厚労省は、高額な薬剤への対応について、オプジーボの薬価引き下げを想定した緊急対応案を10月に示し、薬価制度を含めた次期改定に向けた取り組みの「中間とりまとめ」を来年3月に示す日程案が了承された。
 当日は、オプジーボを想定した薬価引き下げの手法などが検討された。厚労省は、2016年度の売り上げが当初予測の10倍超かつ1000億円超などの薬剤を対象に、本年度は薬価調査をしないことを踏まえて、既存の市場拡大再算定ルール等を活用していく考えを示した。
 健保連、協会けんぽなど保険者代表の委員は、製薬企業が申請した1260億円ありきではなく、実際の売上額やさらなる適応拡大等も見込んだ将来の売上げの伸びなども把握して対応を検討すべきと求めた。厚労省が示した期中改定に賛同する意見が大勢を占める中、日医副会長の中川俊男委員は、「期中改定ありきの議論」に慎重な姿勢を示し、最適使用や留意事項通知などを含め幅広い議論を求めた。

 

「比較対象国の薬価精査を」

 新薬の保険収載に関連して、外国平均価格調整ルールの適用で、トルツ皮下注の薬価が14.6万円から24.6万円(1日薬価8,781円)へ大幅に引き上げられた点について、薬価算定組織の清野精彦委員長より、当該ルールの見直しが必要との意見が示された。 
 診療側・支払側の委員の多くから、比較対象となる各国の薬価の指標、対象国の数(英、米、独、仏)などについて精査・検討すべきとの意見が出され、追井医療課長は、「これまでの議論・見直しなども整理して、次期改定に向けて新たな議論ができるよう対応したい」と応じた。
 同一の効能・効果の場合、低価のものから使用するよう求める意見が出され、新規収載されたトルツ皮下注について、より安価なルミセフ皮下注等から処方するよう求める留意事項通知が出される見通しとなった。

以上