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患者の声を国会へ
―負担増計画が次々と議論に―

全国保険医新聞2016年8月25日号より)

 

「ストップ!患者負担増」キャンペーン
リーフ(左)と署名用紙(右)とYouTube動画(下)

 政府は社会保障費を抑え込む方針の下、参院選直後から患者負担増の議論を再開している。全国保険医団体連合会は9月半ば以降に開会する臨時国会に向けて、「ストップ!患者負担増」署名の取り組みをさらに進める。

 

高額療養費の負担上限引き上げなど

 「年金暮らしの高齢者は医療費が上がると『早く死ね』と言われているようなもの」(73歳女性)、「高齢者2人を抱え、ますます医療費負担が増えると本当に困る」(55歳女性)、「若くても病気にかかることもあり、学生なので親に負担がかかり大変」(18歳男性)―昨年保団連が実施した「クイズで考える日本の医療」では、負担増への不安を訴える患者の声が多く寄せられた。
 政府は、社会保障費の自然増分を3年間で1兆5000億円に抑え込む方針で、負担増・給付抑制を次々と計画している。参院選直後から再開された厚労省の審議会では、高額療養費制度での70歳以上の月額負担上限額の引き上げと、75歳以上の窓口負担2割への引き上げが議論されている。今後、入院時の居住費(水光熱費)の徴収拡大、かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担、市販品類似薬の保険外しなども議論される予定だ。他に軽度の要介護者の生活援助の保険外しや福祉用具貸与の原則自己負担化など介護保険での負担増なども検討されている(3面に関連記事)。

 

ネット署名、動画サイトCMも

 8月7日の保団連理事会では、負担増計画の具体化を食い止めるため、参院選前から続けてきた「ストップ!患者負担増」署名に引き続き取り組むことを確認した。「インターネット上での署名を始めた」、「YouTubeの動画コマーシャルのシステムを活用している」など、保険医協会の多様な取り組みが報告された。「負担増の内容をさらに伝えていく必要がある。参院選が終わったからといって、取り組みを終わらせるべきではない」、「世論を大きくすることで、政党が患者負担増に反対する後押しとなる」など、取り組み継続の重要性も指摘された。

 

再度の署名の依頼も可能

 今後集まった署名は、参院選を経て新しい構成で開会される9月半ばからの臨時国会に提出する。国会回次が変われば、前国会に提出したのと同趣旨の請願を再度提出できる(衆議院HP内「請願・陳情書・意見書の手続」)。これまで署名をしてもらった患者さんにも、再度署名を訴えることが可能だ。
保団連は今後、検討される負担増の内容を知らせながら、署名を中心とした反対の取り組みを強める。

以上