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【歯科社保情報】あらためてふりかえる16年改定@
―「訂正」や「疑義解釈」もチェック―

全国保険医新聞2016年8月25日号より)

 

 新設項目が多く内容の変更も多岐にわたる今次改定をシリーズで解説する。第1回は発出された訂正通知と疑義解釈について。

【訂正通知】

在宅療養支援歯科診療所の施設基準について、「年に1回、歯科訪問診療の患者数等を様式18の2を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること」が追加になった。

歯科疾患在宅療養管理料を算定した月は、患者に対して、少なくとも1回以上管理計画に基づく管理を行い、診療録にその要点を記載する。

写真診断において、同一部位であっても一連の症状確認ではなく、前回撮影時の画像では診断困難な異なる疾患に対する診断を目的として撮影した場合は、診断料は100/100で算定できる。

舌接触補助床の修理を行った場合は、「床副子修理―234点」により算定する。なお、床副子の調整と修理を同日に行った場合は、調整の費用は修理に含まれ、歯科口腔リハビリテーション料1は算定できない。

歯冠補綴時色調採得検査について、補綴物の色調を決定する対象が隣接歯だったものが、隣在歯等に拡大された。

「床副子修理」の算定対象に睡眠時無呼吸症候群の治療法としての咬合床、咬合挙上副子の他、術後即時顎補綴装置が追加になった。

先欠の乳歯に対して支台築造を行った際の、窩洞形成の算定が削除になった。

乳歯、永久歯の前歯に対するCRジャケット冠についての形成について「失PZ」が追加になった。


【疑義解釈の整理】

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所において、エナメル質初期う蝕の治療について「歯科疾患管理料のエナメル質初期う蝕管理加算」もしくは「フッ化物歯面塗布処置のエナメル質初期う蝕に罹患している患者の場合」のどちらを行うか、また、歯周治療についてSPT(T)もしくは(U)のどちらを行うかは、患者の状況に応じて、主治医が判断する。ただし、治療開始後はもう一方に移行することはできない。

歯科疾患管理料について、ブリッジを製作する場合で傷病名がMTのみの患者も対象となる。

歯科衛生実施指導料について、プラークチャートを使用しなくても、口腔内カメラにより患者の口腔内をモニターに映す、デジタル写真を活用するなどしてプラークの付着状況が確認できればよい。患者に提供する文書には、状況を記載しておく。

混合歯列期において、歯周基本検査で算定した場合は、永久歯の歯数での点数算定となるが、検査は一口腔単位で行うことから、乳歯に対する検査も必要である。

歯冠補綴時色調採得検査について、支台歯の隣在歯に天然歯がなく、対合歯のみ天然歯がある場合でも、色調比較が可能な場合は算定できる。

SPT(U)算定に際しての口腔内カラー写真については、1回目は全顎の撮影を行い、2回目以降は管理の対象となっている部位の撮影を行う。

(副会長 田辺 隆)

以上