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社会保障は経済効果高い
―政府 社会保障費削減方針へ保団連の応答―

全国保険医新聞2016年9月5日号より)

 

 政府は「財政の健全化」を理由に医療、社会保障への支出を大幅に削減する方針を示している。2016年度からの3年間の社会保障費の自然増を1.5兆円に抑える計画だ。しかし、貧困と格差が拡大している下での負担増と給付削減は、患者・国民のいのちと健康に関わる。
 政府は、17年度からの消費税率引き上げを見送ったものの、社会保障の安定財源として消費税を充てることを基本方針としている。また、財界は消費税を引き上げて法人実効税率を引き下げるよう求めている。しかし、社会保障には所得の再分配により不公正を正す機能が必要であり、逆進性の強い消費税は社会保障財源としてふさわしくない。

 

消費税に頼らない方法がある

 保団連は、消費税増税に頼らない安定財源として、主要国と比べて法人税負担・社会保険料の負担が低い大企業に社会的責任を果たさせ、大資産家には公平な税負担を求めている。
 社会保障は国民生活を安定させるだけでなく経済波及効果や雇用誘発効果が高く、内需を拡大し、実体経済、とりわけ地域経済の貢献度が大きい。税収を増やすことにもつながる。
 保団連は、「医療への公的支出を増やす3つの提案」(改訂版)を2015年に発表(図)。「大企業の税と保険料負担を増やして財源を創出」することを基本的な考え方として、@企業負担を増やして保険料収入を増やすこと、A法人税課税を先進7カ国並に引き上げること、B所得に応じた所得税課税に改めること―を提案している。

社会保障財源はある

保団連の提案

事業主負担を増やして保険料収入を増やす

 正規雇用の労働者を増やし、賃金を引き上げる。その上で被用者保険の事業者負担割合や、国保料算定の報酬上限を引き上げる。

法人税課税を先進7カ国並に引き上げる

 さまざまな政策減税を受け、日本の法人実効税率は30.7%(経常利益上位100社)。先進7カ国では低い水準にある。少なくとも消費税導入前の税率(法人税42%、法人事業税11%)に戻す。資本金1億円以上の利益計上法人の法人税率を42%に戻すだけでも、6兆4000億円の財源を創出できる。

所得に応じた課税にする

 2015年以降45%となっている所得税最高税率を、少なくとも消費税増税前の60%に戻し、所得の再分配機能を高める。株式配当の分離課税をやめ、総合所得課税とする。資産所得課税の税率を引き上げる。

以上