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新専門医 医師配置の偏在は依然課題
―新制度用プログラム採用は3学会―

全国保険医新聞2016年9月25日号より)

 

 新専門医制度は制度実施が1年延期され、「2018年度をめどに19の基本領域で一斉スタート」し、17年度の専門医研修は各学会に委ねられた。
 新制度用に準備した専門研修プログラムを用いるのが3学会(小児科、耳鼻咽喉科、病理科)、学会の既存プログラムと新制度用プログラムを併用するのが3学会(整形外科、救急科、形成外科)。他の12学会は既存プログラムを用いる。総合診療専門領域の研修は専門医機構としては実施せず、当面は日本プライマリ・ケア連合学会が養成する家庭医療専門医を推奨する。
 機構は今後、基本診療領域の専門医取得後に進むサブスペシャルティ領域の研修プログラムやダブルボード(複数の専門医資格の取得)について検討する。

政府、需給と合わせて検討

 もっとも、地域医療への影響が依然課題として残されている。専門医の養成は、大学病院を中心とした基幹医療施設を中心に行われることなどから医師配置の偏在化が進むことが懸念されてきた。
 「医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会」が6月に発表した「中間とりまとめ」は、専門医について国や都道府県等の権限を明確化することや専攻医の募集定員枠を設けることを検討するとしている。また、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しも検討課題として上げた。
 需給に関する検討会の議論は18年度からの第7次医療計画に反映される。医療計画には、現在都道府県で策定が進められている地域医療構想とその実現のための施策も盛り込まれる。新専門医制度が、医療費抑制や医師(保険医)に対する管理統制のツールとされることのないよう注視が必要だ。

以上