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病床転換、「かかりつけ」へ誘導
―厚労省 17年度税制改正要望で―

全国保険医新聞2016年9月25日号より)

 

 厚生労働省は9月1日、2017年度の税制改正要望を公表した。医療機関の消費税問題の対応と共に、病床転換や「かかりつけ」推進に向けて要望を示した。

医療機関の消費税「年内に結論」

 医療機関が負担する消費税問題に関する税制上の措置について、医療保険制度での手当ての検討等とあわせて、高額な設備投資等による消費税負担が大きいとの指摘等も踏まえ、「2017年度税制改正に際し、総合的に検討し、結論を得る」よう求めている。昨年度の与党税制改正大綱では、消費税10%への引き上げが予定される中、17年税制改正に際して結論を得るとしていた。
 その後、10%への引き上げが17年4月から19年10月に延期されることとなったが、「税制による抜本的解決を強く要望」する診療側の声などにも押され、年内をめどに結論を得るよう求めた形である。

地域医療構想に沿って

 消費税負担が強く指摘される設備投資に関連しては、「地域医療構想に沿った病床の機能分化・連携などに資する固定資産」を取得した場合に、所得税・法人税等の特例措置の創設を要望している。昨年の要望と比べ、地域医療構想が前面に出された記載ぶりとなっている。消費税負担の解消・緩和を求める要望を逆手にとって、急性期から回復期・慢性期への転換等を進める狙いである。

かかりつけ・在宅へ誘導

 新たに、「かかりつけ」医・歯科医、又は在宅医療に必要な診療体制をとる診療所に係る不動産についての税制措置を要望している。16年度改正で、かかりつけ機能をベースにした中小の健康サポート薬局に関する不動産取得税について軽減措置(2年間)が認められており、今回、かかりつけ機能等を果たす診療所について同様な要望を出した形となる。開業医は、患者の要望・実情に応じてさまざまなかかりつけ機能を果たしており、診療報酬や施設基準等に基づき「かかりつけ」診療所を選別する支援の在り方は疑問である。
 その他昨年に続き、事業税について保険診療に係る非課税措置、医療法人の自費に係る軽減措置の存続、新たに僻地等での医療継続に関わり相続税・贈与税の猶予免除等が挙げられている。

以上