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【中医協ひろい読み】保険者との連携・ICTの活用

全国保険医新聞2017年4月25日号より)

 

  中医協総会が3月29日に開催され、「外来医療」について、生活習慣病の重症化予防に向けた保険者との連携推進、ICT活用を議論した。

 

特定健診・指導など診療情報共有を

 厚労省は、生活習慣病が疾病全体の2割を占め、医療費は外来医療のうち3割に上る一方で、その予防策として保険者が行う「特定健診・特定保健指導」での診療情報の共有が不十分である点を報告。具体的には保険者からの診療情報の提供等の、「協力の求めはなかった」と回答した医療機関がトータルで5割以上、診療情報等の提供を、「行った」と回答した割合はトータルで2%未満である一方、患者が「特定健診・特定保健指導」を受けているか「把握していない」と回答した保険者が8割以上である点を指摘した。
 松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「重症化予防には患者の診療情報について、医療機関と保険者が共有する仕組みが必要と指摘。広域連合や市町村に対して医療機関との連携の取組状況の調査を求めた。吉森俊和委員(全国健康保険協会理事)は、医療機関と保険者の連携が必要とした上で、主治医の指示に基づいた連携が重要と述べ、診療側、支払側ともに連携推進を求める意見で一致した。

 

遠隔での糖尿病管理も提起―支払側

 厚労省は、「糖尿病が強く疑われる者」の治療状況について、40歳代では約5割が未治療である点を報告。
 議論では、幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、「40代は仕事が忙しく、中断につながりやすい。初診は対面診療として、ICTを用いた遠隔管理が活用できればいい」と述べた。これに対して、松本純一委員(日本医師会常任理事)は、「通院できないのは仕事の在り方も問題である」と指摘し、ICTについては、「あくまで対面診療の補完であるべきで、仕事を休めないから使えばいいという話ではない」と牽制した。

以上