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保湿剤処方の一律制限慎重な議論を

全国保険医新聞2017年11月15日号より)

 

 

 健保連は9月14日、外来診療における皮膚乾燥症に対する保湿剤(「ヒルドイド」等)が他の外皮用薬もしくは抗ヒスタミン薬と同時処方されていない場合は、保険適用から除外するとした提言を発表した。中長期的には、保湿剤の処方そのものを保険適用外とすることも検討すべきとしている。 これを受けて11月1日の中医協では、医療用保湿剤の適正使用について議論。厚労省はこの間の改定で行われたビタミン剤、うがい薬、湿布薬の保険外しの対応を例示し、保湿剤については「美容目的での使用実態があるとの指摘があり、学会等より適正使用に係る注意喚起がなされている」と提起した。
 診療側は「皮膚乾燥症は純然たる疾患。保湿だけではなくバリア機能もある」ことなどから「単剤処方も十分あり得る」とし、健保連の主張にクギを刺した。同時に、「本来必要な方に不利益とならないようにすべき」と主張している。
 日本皮膚科学会は処方制限に反対し、がん患者団体からも懸念が表明されている。
 保団連はうがい薬、湿布薬の保険外しが行われた経緯など、療養の給付範囲の縮小につながる改定に反対し、保険外しを撤回するよう要求している。本来必要な患者が十分な医療を受けられるよう、確かな根拠に基づく慎重な議論を求める。

以上