余剰金で国保料引き下げを―沖縄 繰り入れやめれば負担増
2018年度からの国保の都道府県単位化による国保料の引き上げが懸念されており、各地で、「払える国保料」を求める取り組みが行われている。沖縄協会会員で沖縄県社会保障協議会会長を務める新垣安男氏に、沖縄県の国保の特徴と、来年度以降の国保料をめぐる議論の状況などを寄稿してもらった。
沖縄県社会保障協議会は国保の都道府県単位化に伴う標準保険料試算の公開を求めてきた。8月30日に県は標準保険料試算を公表。それによれば、一人当たりの保険料は8万2,102円となる。
所得200万円以下が8割超沖縄県の国保の特徴は、加入者のうち被用者が35.5%と一番多く、次に無職者が34.1%と全体の69.6%を占める点だ。年間所得200万円以下の加入者は、85.9%である(全国では76.9%)。一人当たりの国保料の平均額は全国の9万2000円に比べ沖縄県では6万2,000円と抑えられている。これだけでは国保の支出を賄えないため、一般会計から112億円を繰り入れ、一人当たりの保険料を引き下げているのが現状である。一般財源からの繰り入れ額は保険料の31%に上り、全国と比較すると突出している。
大戦の影響で国保財政が赤字 後期高齢者医療制度の導入に伴い国庫支出が減少する中で、被保険者保険からの支出金が国保財政を支えた側面がある。 (沖縄県社会保障推進協議会会長 新垣安男) 以上 |