介護連携、全身との関連論点
―18年改定へ 日歯、厚労省が研修会共催―
(全国保険医新聞2017年12月5日号より)
「地域の中の歯科医療(地域包括ケアシステムを中心として)」をテーマに、厚労省・日歯共催の社会保険指導者研修会が10月16日に東京都内で開催された。診療報酬、介護報酬の同時改定の論点として、歯科医療と全身との関連や介護との連携などが強調された。
安定財源と財政健全化が基調 厚労省
厚労省保険局歯科医療管理官の小椋正之氏は、診療報酬改定に向けた議論は、持続可能な社会保障制度のための安定財源と財政健全化の必要性が基調になっていると紹介。6月の「骨太の方針」で「口腔の健康は全身の健康にもつながる」との記述が盛り込まれたことから、生涯を通じた歯科医療と入院患者や要介護者の口腔機能の充実が課題ではないかと述べた。
また、今後の議論について、@内閣で改定率A社保審で改定の基本方針B中医協で具体的な改定内容を決定していくと解説した。
口腔機能回復と地域完結など課題 歯科医師会
日本歯科医師会常務理事の遠藤秀樹氏は、地域包括ケアシステムでの歯科医療の課題は、口腔機能の回復としての歯科医療と地域完結型の歯科医療の提供だと強調した。また、診療報酬上で算定回数が少ないものや複雑な加算点数等の問題点を指摘した。
岐阜県大垣市高齢介護課長の篠田浩氏は、介護保険制度の現状を踏まえ、@地域包括ケアとは何かA地域包括ケアと地域マネジメントB医療・介護連携と多職種連携等―について行政職員の立場から問題提起した。
日本歯科医師会副会長の佐藤保氏は、同時改定に向けて、@前回同時改定の介護給付費分科会での論議A今回同時改定の医療介護総合確保法、医療計画、介護保険計画および在宅医療の考え方B医療と介護の意見交換からでた課題等―の点から現状と問題点を指摘した。
東久留米市医師会長の石橋幸滋氏の報告では、@地域包括ケアでの医科歯科連携A東久留米市地域包括ケア活動での医科歯科連携事業B今後の医科歯科連携の方向性C医科・歯科連携のコツ―について実践例が紹介された。
また、大森歯科医師会公衆衛生担当理事の中村好氏は、@ねたきり高齢者訪問歯科支援事業A在宅医療連携調整窓口の活動B特別養護老人ホームでの摂食嚥下指導事業―の実践例を紹介した。
以上