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政府医療「改革」を考える
―75歳以上の窓口負担増 年度末までに結論―

全国保険医新聞2018年1月25日号より)

 

 

審議中の主な負担増メニュー

かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入

75歳以上の窓口負担を2割へ引き上げ

金融資産等の保有に応じた患者負担を導入

薬剤自己負担引き上げを対象範囲含め検討

都道府県別の入院・外来医療費の地域差を半減

都道府県ごとに独自の診療報酬を設定

 

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)2015」に盛り込まれた経済・財政再生計画(2016〜20年度)を推進するため、昨年末に「改革工程表2017改定版」を決定した。

 

 患者負担増計画では、▽かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入▽金融資産等の医療保険制度における負担への反映方法▽薬剤自己負担の引き上げを対象範囲を含め検討―などについて、関係審議会等での検討を継続し、18年度末までに、必要な措置を講じる方針だ。70歳〜74歳の窓口負担(2割)も踏まえた後期高齢者の窓口負担引き上げについては、18年度末までに「検討し、結論」を出すとしている。
 先発品価格のうち後発品の保険給付額を超える部分への自己負担導入(参照価格制)では、17年度中に長期収載品の薬価を引き下げる仕組みを導入、19年央を目途に、「進捗を適切に把握」するとの記述に留まった。

 

■医療の地域差削減

 都道府県別の医療費の差の半減を目指す計画では、外来医療費に加えて、新たに入院医療費の「地域差半減」を目指す方針である。18年度初めまでに地域医療構想による「縮減効果」を明らかにするとともに、20年度以降まで、その進捗管理を行いつつ、地域差半減に向けた検討を行う。
19年央までに個別の病院名や転換する病床数などの対応方針を速やかに策定するため、都道府県ごとに2年間で集中的な検討が行われるよう、地域医療構想の進捗状況を3カ月ごとに管理・公表し、検討期間の最初の1年間は公立・公的医療機関の病床再編等の方針を先行して議論する。
 18年診療報酬改定では、急性期の入院医療への新評価体系を導入。地域医療構想の焦点である急性期から慢性期の病床への移行を促進する方針だ。
 外来医療費の「地域差半減」では、重複投薬・多剤投与の適正化の取り組みを、18年度末まで保険者、医療関係者等によって推進するとしている。

 

■都道府県が「司令塔」

 医療費適正化計画の推進では、都道府県の「司令塔」としての役割と責任を強める方針が盛り込まれた。@都道府県別に診療報酬を設定できる特例について、17年度中に運用の考え方などを都道府県に周知するA各都道府県は、18年度から23年度までの第3期計画を前倒しで策定B保険者協議会において「中核的な役割」を発揮し、医療関係者などの参画を図るC中間年である20年度まで、計画のPDCA管理を実施する―などである。あわせて、都道府県の「体制・権限」の強化については、20年央までに措置を講じるとしている。

以上