医療情報保護の徹底を
―次世代医療基盤法で意見提出―
(全国保険医新聞2018年4月25日号より)
医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(次世代医療基盤法)が5月11日までに施行される。法運用の細目を定める政省令案・ガイドライン案に対し、保団連はパブリックコメントを提出した。
次世代基盤法は、健康・医療に関する先端的研究開発や新産業創出を促進するとして▽患者・故人の病歴・治療・検査等の医療情報について、医療機関が、受診患者等に認定事業者(国が認定)へデータ提供が可能かどうかを通知▽患者等が拒否を申し出ない場合、認定事業者への提供を可能とする▽認定事業者は、受け取った医療情報を匿名加工し、製薬企業やヘルスケア企業などに対し利用料徴収して提供できる―とするもの。医療機関の参加、患者の協力ともに任意である。
個人情報保護法では、病歴等データの第三者への提供について本人の明確な同意が原則だが、次世代基盤法で例外を設け、情報の利活用を進める形となる。
保団連は、患者の同意の明確化や医療情報保護の徹底に向けて、▽利活用範囲を明確に制限する▽患者が提供可否を熟考できる機会・期間を保障する▽拒否した場合に不利益な取り扱いを受けない点を徹底する―などの意見を提出した。
以上