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データで見る歯科医療の実態
―補綴「完了」激減で「未処置」増然―

全国保険医新聞2018年4月25日号より)

 

 

 「未処置」増は初

 2016年度歯科疾患実態調査(17年9月15日発表)によると、「補綴の状況」のうち「一部完了」者が36.9%、「未処置」者は20.3%となり、それぞれ前回調査(11年度)での24.4%、13.1%から増加した。「未処置」者の割合が増加傾向を示したのは、過去40年間の調査の中でも初めてのことだ。
 また、「完了」者の割合は42.8%(前回調査62.6%)と激減し、1987年度当時と同程度の水準にまで落ち込んでいる。

 

雇用と賃金破壊、窓口負担増を反映

 前回調査以降の5年間をみると、非正規雇用者数は205万人増の1132万人、年収200万円以下の働く貧困層は63万人増の2023万人と初めて2000万人を突破するなど、雇用と賃金の破壊が進んだ。
 また、この間、70歳から74歳の医療費窓口負担が1割から2割に引き上げられるなど、高齢者への負担増が強められている。補綴治療を受ける患者には高齢者が多く負担増の影響が大きい。
 保団連の調査(2015年度実施)では、5割を超える歯科医療機関が「経済的理由から治療中断、または中止した事例」を経験しており、医科診療所よりも多い。雇用と賃金の破壊、窓口負担増が背景にある。

以上