財務省が「建議」―社会保障費の削減さらに
政府は6月中にも、19年度予算編成の基本方針や今後の経済財政政策の方向性を定める「骨太の方針2018」を決定する。これに先立ち、財務省の財政制度等審議会がまとめた「新たな財政健全化計画等に関する建議」は、国と地方のプライマリーバランスの黒字化を目的として、特に社会保障の分野での歳出削減を進める内容だ。
5月28日に政府が公表した「骨太方針2018」骨子案には、新しい経済・財政計画の策定が位置付けられ、社会保障分野を中心に歳出改革等に向けた取り組みの加速・拡大の方向性が示された。
働き手増やして 財源確保を財務省は現状認識として、「高齢者人口の増加による医療・介護費用の増加」、「医療の高度化・高額化」と並んで「支え手の大幅な減少」を強調した。しかし、「厚生労働白書2017年版」が指摘するように、2000年からの30年間で「非就業者1人に対する就業者の人数」は1.00〜0.91人で推移しており顕著な減少はない。今後、若者・女性、高齢者等の労働参加が適切に進んだ場合、1.12人に増える可能性もあるとしている。保険料を支払う「働き手」を増やすことで、雇用の改善・確保が求められている。 以上 |