75歳以上「2割」 22年度までに ― 「骨太2018」原案
(全国保険医新聞2018年6月15日号より)
政府は6月中の閣議決定に向けて5日、経済財政諮問会議に「骨太の方針2018」の原案を提示した。
原案では、既に策定している工程表を「着実に推進する」として、2019年度から21年度までを「基盤強化期間」と設定。その間の自然増分は、具体的な数値は設定しないものの、「高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」ことを「目安」として示した。
後期高齢者の窓口負担のあり方について、団塊の世代が75歳に入り始める2022年度までに検討するとして、2割負担化を目指す。また、医療・介護費の負担を所得だけでなく資産の保有も含めた「能力」に応じた負担とすることや、「現役並み所得」の判定基準の見直し、外来受診時定額負担の導入も検討する。
また地域独自の診療報酬について、具体的な活用策のあり方を検討することを明記。「医療保険の給付率の自動調整」については、明示的な言及はないが「診療報酬とともに保険料・公費負担、患者負担について総合的な対応を検討する」として、導入に含みを持たせた。
消費税引き上げ強行
原案は企業の生産性向上や防衛費拡大にはテコ入れを行う一方、社会保障を歳出改革の重点分野と位置づけた。
経済政策では「人づくり革命」、「生産性革命」、「第4次産業革命」などの言葉が並ぶが、「サプライサイド(供給者側)を抜本強化する改革」が基本となっている。他方で、社会保障については「自然増抑制」「医療・介護供給体制の適正化・効率化」「給付と負担の適正化」が不可欠としている。その上、消費税率10%への引き上げの実現を強調。来年度予算で「確実に実施できる経済環境の整備」するとして、増税による景気や消費に与える悪影響を認めながらも、強行する構えだ。
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