【消費税を解きほぐすA】 経済も国民生活も破綻
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図に実質賃金指数と消費者物価指数の推移を示した。14年を見ると、消費者物価指数は前年比3.2ポイント上昇し、その分実質賃金指数は2.9ポイント下落している。安倍政権以降、名目賃金は緩やかに上昇しているものの、物価上昇には追いついていない。実質賃金の減少に加え、社会保障改悪と負担増もあり消費を手控えざるを得ない中、消費税増税が国民生活の逼迫に拍車をかけている。
消費税増税で消費を冷やすことは、日本の経済も国民生活も壊すものだ。格差が拡大し、年収300万円以下の低所得層が増大するもと、消費税増税は低所得層の生活水準低下に直結する。また、GDPの6割を占める個人消費を抑制して経済成長はありえない。
賃上げと社会保障の充実によって所得の底上げを図り、消費を刺激することで内需主導の経済の好循環を作ることが必要だ。そのためには消費税率の引き上げではなく、法人税の引き下げや、研究開発減税などの行き過ぎた大企業への優遇を正すことがまず求められる。安倍政権のもと巨額の内部留保を積み増す大企業に対して、雇用と賃金の保障、また税・社会保険料の応分の負担を求めるべきだ。
以上