歯科技工料問題解決のために@
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今、歯科技工物の製作現場は非常に厳しい状況にある。保団連は2016年に全国の協会・医会の協力を得て歯科技工所へのアンケートを実施し、2,454件の回答を得た。集計結果では1週間あたりの労働時間が81時間以上と回答した技工士は32.1%で、3人に1人が過労死ラインを超える労働時間となっている。101時間以上という回答も1割を超えている(図)。長時間労働の一方、売上から経費、税金、社会保険料などを差し引いた可処分所得は300万円以下が53.3%と半数以上を占める。
超長時間労働と低収入が常態化する中、多くの若い歯科技工士が歯科技工業を離れている実態が、厚労省の科学研究で明らかにされている。歯科技工士の志望者も激減しており、1991年には72校あった歯科技工士養成施設は2017年には52校に、同じ期間に入学者数は3,155人から927人へと3分の1以下にまで減少した。
将来の歯科技工を担う人材育成、技術の継承は危機的な状況にある。歯科医療提供、ひいては患者・国民の口腔の健康確保も危ぶまれる事態であり、歯科技工士の過酷な実態の改善は喫緊の課題だ。
以上