歯科18年改定のポイント(14)
栄養サポートチーム等連携加算とカンファレンス
(全国保険医新聞2019年3月15日号より)
歯科の今次改定の内容をシリーズで解説する。今回は、栄養サポートチーム等連携加算(NST)とカンファレンスを取り上げる。(16回連載)
今次改定で注目される項目の一つが在宅関連だ。歯科訪問診療を行う際には、病院や施設と連携を図る中で、食事観察やカンファレンスなどに加わり、NSTの算定も検討してほしい。「歯援診1」「か強診」の施設基準の届出の選択要件にも含まれるようになり、これらの取得を目指す上でも関心事だ。
NST
「NST1」は、歯科医師が、他の保険医療機関に入院している患者に対し、入院先の栄養サポートチーム、口腔ケアチームまたは摂食嚥下チーム等の多職種からなるチームの構成員としてカンファレンス及び回診等に参加し、それらの結果に基づいてカンファレンス等に参加した日から起算して2月以内に管理計画を策定した場合、月に1回に限り80点を加算する。
「NST2」は、患者が介護福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養施設、特定施設もしくは地域密着型特定施設に入所している場合、または認知症対応型共同生活介護を受けている場合において、歯科医師が、患者の入所施設で行われた経口による継続的な食事摂取を支援するための食事観察または介護施設職員等への口腔管理に関する技術的助言・協力及び会議等に参加し、それらの結果に基づいて食事観察等に参加した日から起算して2月以内に管理計画を策定した場合に、月に1回に限り80点を加算する。
算定要件
加算対象は歯科疾患在宅療養管理料(歯在管)のみであったが、在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(訪問口腔リハ)にも広がった。加算を算定した場合には、カルテに管理計画の要点、カンファレンスおよび回診または食事観察および会議等の開催日、これらのカンファレンス等の内容の要点を記載するか、またはこれらの内容がわかる文書の控えを添付する。
なお、2回目以降は当月にカンファレンス等への参加がなくても算定可。少なくとも前回の参加日から起算して6月以内に1回以上の参加が必要となる。つまり、以降6カ月間は算定可である。また、NSTは既に歯在管等で治療を開始している患者でも算定可能。
連携の意義
病院では、入院基本料等の加算に栄養サポートチーム加算(週1回200点)があり、そのチームとしての診療に歯科医師を継続的に参加させ、必要な診療を保険医等と共同して行った場合は、歯科医師連携加算として、50点をさらに入院基本料等に加算できることになっている。
栄養学的アプローチなどについては歯科医師にとって大変勉強になり、なによりも多職種連携での知識の共有は患者にとって有益だ。咀嚼・口唇・舌機能等の口腔機能評価は歯科の専門分野である。経口摂取維持に向けて歯科医師の側からもアプローチしていくことは有病者が増える超高齢社会での歯科のあり方として、ひとつの有効な方向性でもあるし、求められてもいる。
(歯科社保・審査対策部部員 川村雅之)
以上