外来維持期リハ、要介護・要支援へ提供終了
医療で給付継続を 柔軟対応も必要
(全国保険医新聞2019年4月5日号より)
厚労省は3月6日の中医協総会で、要支援・要介護者への外来維持期リハビリテーションの3月での終了と4月以降の介護保険への移行期間の対応を提案し、了承された。保団連は3月14日に厚労省に、▽維持期を含めリハはあくまで医療保険から給付されるべき▽やむを得ない事情で介護保険に移行できない患者などへの柔軟対応が必要―などの要請をし、要支援・要介護者への外来維持期リハ廃止に反対した。
移行期間の対応に配慮を
要請ではまず、移行期間の対応について確認した。老健局、保険局合同の通知では、2019年3月中に維持期リハを算定している患者が、同一月に別の施設で介護保険のリハを併用する場合に限り、5月まで維持期リハを1月7単位まで算定することができるとされた。
これについて保団連が、利用開始日は4月以降も含むのかと質問すると、厚労省は「開始日は3月中を想定しており、4月以降は想定していない」と答えた。保団連は「現場では十分周知されず、ケアプランを立てる関係からもずれ込むことが予想される」と指摘。厚労省は「現場で困っているなら検討する」と回答した。
この問題では要請後も、ケアプランを立てて介護保険に移行する患者が多いことや、介護保険の給付上限の調整に時間がかかる場合など、介護保険のリハ利用開始が4月にずれ込むのを避けられない場合があり配慮が必要との要望が、地域の医療機関から出されている。
9月まで1時間未満でも良い
また、保団連から、「維持期リハは20分で終わるのに、通所リハでは1時間以上、場合によっては2時間以上のリハが苦しいという患者もいる」との声を紹介し、患者のニーズに対する認識を質した。
厚労省はその後、維持期リハを算定していた患者が1時間以上2時間未満の指定通所リハの利用を開始した場合、実際の通所リハの提供が1時間より短くても、19年9月30日までは、1時間以上2時間未満の単位数を算定して差し支えないとの疑義解釈を発出した(介護報酬Q&A Vol.9)(厚生労働省「平成30年度介護報酬改定について」より)。
また要請では、同一施設で疾患別リハと通所リハを行っている医療機関は従業員確保に苦労する実態などを伝え、改善を求めた。
以上