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キムリア3349万円、過去最高の薬価 製造コスト不透明

全国保険医新聞2019年5月25日号より)

 

 白血病新薬キムリアが3349万円と過去最高の薬価で保険適用となった。製造コストなどが不透明で、超高額算定の妥当性が問われる。適応の拡大も見込まれる中、高薬価の是正が急務だ。

 

年72億円の費用

 難知性の白血病などに再生医療の一種であるCAR-T細胞療法を活用した治療薬「キムリア」(ノバルティスファーマ)が、5月15日の中医協総会で、3349万円(1患者当たり)で保険収載することが了承された。投与患者数(ピーク時)は年216人で72億円の費用を見込む。
 保団連はキムリアについて、ノバルティスが開発提携先に支払う高額なパテント料などが米国での価格に反映され5000万円を超えている可能性がある一方、国内外で100万円程度で同様なCAR-T細胞療法による治療実績が見られる現状などを指摘し、米国の5000万円超の価格を当然視すべきでないと主張してきた。こうした中、米国価格よりも3割程度低い水準で算定されることとなった。金額が下げられたことは一定評価できるが、それでも薬価として過去最高額である。
 今回ノバルティスが薬価算定案を作成する国の組織に示した資料(非公開)では、パテント料はじめ原材料・製造・開発費などの各種コストの内訳などの情報の開示度は、最低ランクの50%未満と判定された。中医協委員からの価格の妥当性への疑問に留まらず、薬価算定組織の坪井正博委員長も「ブラックボックスが大きく、困っている」と述べている。非公開の薬価算定組織にさえ原価情報などがきちんと示されない中、過去最高の薬価がつくことは疑問だ。

 

公正・透明な算定を

 毎年、5万人以上が血液がん(白血病、リンパ腫、骨髄腫)になっており、今後、適応拡大が見込まれている。欧州では、大腸がん、中皮腫(肺等)など固形がんでの臨床試験も開始されていると報告されている。当初の想定より患者数が急増した場合、薬価を引き下げるが、最大でも半額引き下げに留まる。今回、「単価が著しく高い」として費用対効果の評価対象とされたが、割高と判定された場合でも、最大1割強の引き下げにすぎない。適応拡大に対応できるルール改善が急務だ。
保団連は公正で透明な薬価制度の改善を求め、取り組みを強めていく。

以上