キムリア3349万円、過去最高の薬価 製造コスト不透明
白血病新薬キムリアが3349万円と過去最高の薬価で保険適用となった。製造コストなどが不透明で、超高額算定の妥当性が問われる。適応の拡大も見込まれる中、高薬価の是正が急務だ。
年72億円の費用 難知性の白血病などに再生医療の一種であるCAR-T細胞療法を活用した治療薬「キムリア」(ノバルティスファーマ)が、5月15日の中医協総会で、3349万円(1患者当たり)で保険収載することが了承された。投与患者数(ピーク時)は年216人で72億円の費用を見込む。
公正・透明な算定を 毎年、5万人以上が血液がん(白血病、リンパ腫、骨髄腫)になっており、今後、適応拡大が見込まれている。欧州では、大腸がん、中皮腫(肺等)など固形がんでの臨床試験も開始されていると報告されている。当初の想定より患者数が急増した場合、薬価を引き下げるが、最大でも半額引き下げに留まる。今回、「単価が著しく高い」として費用対効果の評価対象とされたが、割高と判定された場合でも、最大1割強の引き下げにすぎない。適応拡大に対応できるルール改善が急務だ。 以上 |