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中医協ひろい読み

コストカットで我慢強いる―後半期 個別課題の議論へ

全国保険医新聞2019年9月15日号より)

 

 中医協で4月から始まった前半期の議論のまとめが、7月24日に行われた(7/24中医協総会)。これまでと異なり前半期は▽年代別の課題▽昨今の医療と関連性の高いテーマ―の大きく2つに分けて議論がされた。安倍政権の掲げる「全世代型社会保障改革」が反映されており、今後どのように具体化されるか注視が必要だ。

 保団連は2018年改定の特徴として「2012年改定以降の『地域包括ケアシステムの構築』と『医療機能と分化・強化、連携の推進』の総仕上げに入った」と評価した。2020年改定はこれらの仕組みが概ね構築されたもとでの改定という位置づけになる。
 今回の年代別の課題提起はこれまでと視点を変えた議論を行うことで、仕組みを補強しブラッシュアップすることが目的だ。また、安倍内閣の掲げる「全世代型社会保障改革」を意識した提起であり、コストカットで全世代に我慢を強いる色が濃いものだ。今後の議論の行方に注意が必要だ。
 さらに昨今の医療と関連性の高いテーマとして、地域医療構想、医師の「働き方改革」、偏在対策や医療のICT化など、国が進める提供体制再編の方針を踏まえる提起がされており、果たして中医協で議論すべき問題なのかと疑う場面もしばしばあった。診療報酬制度を社会保障制度改革の道具として位置づけ、露骨に政策の反映を図るものだ。提案の中身から2020年改定に向けた柱は、▽患者要件(重症度、医療・看護必要度)による各病床機能の重点化(絞り込み)▽全人的対応と専門医との連携を軸としたかかりつけ医機能の強化・拡大▽介護保険への移行(長期療養、維持期リハ等)、等である。
 これから後半期の個別課題の議論がスタートする。どのように具体化されてくるか注目していきたい。

以上