医療機関の消費税増税後の対応@
10月1日から消費税率が10%に引き上げられ軽減税率8%が実施されるに当たり、消費税増税後の対応について全国から問い合わせが寄せられている。
診療行為を行った日で消費税率が決まる 自由診療等課税売上げとなる収入の計上であるが、医科・歯科を含め診療行為を9月30日までに行った場合は8%、10月1日以降の診療については10%で計上する必要がある。すなわち診療を行った日で消費税率が決定される。
帳簿には税率ごとに区分して記帳する 基準年度の課税売上げが5000万円を超えることにより簡易課税が適用できず本則課税となる医療機関は、医薬品・医療材料を含め仕入れ等に係った経費が、軽減税率8%が適用される品目なのか10%が適用される品目なのかを検討し、税率ごとに区分して帳簿等に記帳する必要がある。
経過措置として8%の旧税率が適用される場合もある9月30日までに締結した契約に基づき10月1日以後に行われる取引は10%の消費税率が適用されるが、経過措置として8%の旧消費税率が適用される場合もある。
経過措置が適用される事例(1)旅客運賃を領収している場合 旅客運賃を9月30日までに領収している場合は、その乗車券が発行されていなくても8%の経過措置が適用される。 (2)電気料金等の取扱い 10月1日前から継続して供給し又は提供する電気、ガス、水道及び電気通信役務等で、検針等により10月31日までの間に料金の支払いが確定するものは8%が適用される。 (3)資産の貸付けの場合は「指定日」に注意 一般的にはリ−ス取引が該当すると思われるが、2019年4月1日指定日の前日(3月31日)までの間に締結した資産の貸付に係る契約に基づき、10月1日前から引き続き当該契約に係る貸付を行っている場合は、次の「@及びA」又は「@及びB」に掲げる要件に該当するときは、10月1日以後でも8%が適用される。
(4)工事の請負等の適用税率は「指定日」が関係する。 2019年4月1日指定日の前日(3月31日)までの間に締結した工事契約に基づき10月1日以後に工事をしたときは8%の経過措置が適用される。
軽減税率の適用となる対象品目の確認軽減税率の対象となるのは、@酒税法に規定する酒類を除いた飲食料品の譲渡(食品表示法に規定する食品の譲渡をいい外食サ−ビスを除く)と、A定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡である。
医療機関に関係する事例(1)病院食は軽減税率の適用対象となるか 健康保険法の規定に基づく入院時食事療養費に係る病院食の提供は非課税とされているので消費税は課されない。 (2)有料老人ホ−ム等の飲食料品の提供は、軽減税率の適用対象となるか 有料老人ホ−ム及びサ−ビス付き高齢者向け住宅において行う飲食料品の提供とは、有料老人ホ−ム等の入居者に対して行う飲食料品の提供をいうので軽減税率の対象となる。 以上 |