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妊婦加算 取扱いは継続検討
妊産婦の医療体制充実で合意 |
(全国保険医新聞2020年1月25日号より)
中医協総会が昨年12月20日に開かれ、算定が凍結されている妊婦加算(※)の取り扱いや、妊産婦に対する医療体制のあり方などについて議論された。
厚労省は、妊産婦に対する医療体制に関して、▽産科・産婦人科以外の診療科の医師に対する研修実施▽妊産婦の診療について医師が情報を得られる相談窓口の設置▽母子健康手帳交付の際に妊産婦診療に積極的な医療機関の情報提供▽新たな医療機関間の情報提供の評価を活用した妊娠管理に必要な情報提供―などの対応を示した。
「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」が、昨年6月にまとめた議論を踏まえて提案されたもので、診療側・支払側ともに賛同した。
一方、同検討会の取りまとめでは、妊産婦に対する質の高い診療などの評価・推進は必要とし、診療報酬上の評価のあり方は中医協で検討するとしていた。
日本医師会常任理事の松本吉郎氏は、妊婦加算をそのまま復活させないことに同意。凍結中の加算での対応ではなく診療報酬以外でトータルで再編との厚労省提案に賛成した。また、妊産婦に対する診療のあり方を次回以降の改定でも中医協で議論していくことを求めた。
1月15日の中医協総会で示された「議論の整理案」では、「産婦人科以外の診療科と産婦人科の主治医の連携を強化しつつ、妊産婦への診療体制の改善には引き続き取り組むとともに、妊婦加算の扱いを見直す」とした。
保団連は、妊婦加算の凍結に際して、▽妊産婦への配慮を診療報酬上評価することは当然▽歯科にも適用すべき▽窓口負担の軽減が必要―などの声明を出している。
※妊婦診療への特別な配慮を評価して2018年に新設。医療現場や患者に趣旨が十分周知されないまま、患者負担が上がることなどに批判が集中し同年末に凍結された。
以上