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負担増の具体化を議論
厚労省社保審医療保険部会

全国保険医新聞2020年3月25日号より)

 

 全世代型社会保障検討会議での医療保険制度改革や今年6月以降に取りまとめられる「骨太方針」に向けて、厚労省の社会保障審議会医療保険部会では、1月末から月1〜2回のペースで議論されている。
 2月27日は後期高齢者の自己負担割合、3月12日には、紹介状なし200床以上の病院受診時定額負担と薬剤自己負担の引き上げについて議論された。

 

「2割負担で受診抑制進む可能性」

 2月27日の議論で健保連や日本商工会議所の委員は、75歳以上の窓口負担2割導入に肯定的な意見を述べた。一方で、松原謙二委員(日医副会長)は、「高齢者の受診抑制が進み、最終的な医療費は減らない可能性がある」と指摘。慎重な検討を求めた。

 

薬剤自己負担引き上げ意見分かれる

 3月12日の議論で健保連や日本商工会議所の委員は、「小さなリスクは自助で、大きなリスクは公助」としなければ、国民皆保険は維持できないとの理由から薬の自己負担の引き上げに賛成の意向を示した。一方、日医、薬剤師会、連合などからは、患者の自己判断による重症化の懸念などがあり簡単には賛同できないとの意見が出され、賛否が分かれた。
 紹介状なし200床以上の病院受診時定額負担では、地域の実情に応じた導入を求める声もあるが、拡大を前提とした意見が多数を占めている。
 今後、具体的な制度設計の議論がされ、国民の世論も大きく影響を与える情勢である。引き続き署名などの取り組みで負担増反対の世論を広げて行くことが必要だ。

以上