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スタッフの賃金、資金融資―各種制度・助成の活用を

全国保険医新聞2020年4月25日号より)

 

 新型コロナウイルスの感染拡大は、全国の医療機関経営、スタッフの雇用管理に影響を及ぼしている。スタッフが感染したり休業を余儀なくされた場合の対応、医療機関が利用できる制度や申請方法などを紹介する(制度の詳細などは随時更新されるため、厚労省のホームページなどでご確認いただきたい)。

 

スタッフが感染したら休む場合の手当は必要?

助成金の支給要件や
手続等の問い合わせ先


学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金、個人向け緊急小口資金相談コールセンター

電話:0120-60-3999
受付時間:9時?21時
土日・祝日含む

 業務外(私的な旅行など)で感染した場合は、休業手当の支払いは不要
 感染でスタッフが休む場合は一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられ、休業手当を支払う必要はない。
 なお、要件を満たせば、各保険者からスタッフに傷病手当金が支給される場合がある(各保険者に確認を)。

業務で感染した場合には労災の休業補償の対象に

 業務に起因して感染したものであると認められる場合は、労災保険給付の休業補償の対象となる。詳細は、事業所を管轄する労働基準監督署に相談できる。

 

発熱しているスタッフを院長が休ませた場合は?

休業手当の支払いが必要

 感染は確定していないが、発熱や咳などの症状があるスタッフを、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払う必要がある。

 

患者の陽性が判明して休診する場合の助成は?

スタッフの休業手当は、雇用調整助成金を活用

◆対象となる事業主:新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(スタッフの発症、患者減による自主的休診など事業活動が縮小した場合)
◆要件:最近1カ月間の売上高などが5%以上低下(前年同月比)
◆適用される期間:2020年4月1日〜6月30日までの休業等(緊急対応期間)

※新規学卒採用者など、雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6カ月未満の労働者についても助成対象(週20時間未満の労働者パートなども)
※過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主について、前回の支給対象期間の満了日から1年を経過していなくても助成対象

◆助成内容:休業を実施した場合の休業手当相当額に対する助成(率)

※対象労働者1人あたり8330円が上限(中小企業5分の4もしくは解雇等を行わない場合10分の9)、支給限度日数は緊急対応期間中は1年間で100日の限度日数とは別カウント

◆問い合わせ先:最寄りの労働局の助成金相談窓口

 

休校で子どものいるスタッフが休んだら?

小学校休業等対応助成金を活用

◆助成内容:有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額
※上限は1日あたり8,330円
◆対象期間:2020年4月1日〜6月30日まで
◆対象となる事業主:@新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども、A新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある子どもの世話が必要となった労働者(正規・非正規問わず)に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主
◆申請期間:2020年9月30日まで(3月以前の休暇分も申請可)
◆必要な書類:申請様式記入、各種添付資料を用意(厚労省ホームページから印刷して使用、被保険者以外の様式も掲載されている)
◆申請先:厚労省の委託事業者の学校等休業助成金・支援金受付センター(事業所の所在地により4つに分かれている)
◆申請方法:法人ごとに郵送で申請
◆詳細は厚労省のホームページ(厚労省のトップページ上部の「新型コロナウイルス感染症について、こちらをご覧ください」→お知らせの「保護者の休暇取得支援」をクリック)

 

経営が厳しく、スタッフを減らしたいが

 スタッフの解雇や雇止めには、厳格な法規制がある(「医院経営と雇用管理2019」101頁〜参照)。
 コロナの感染拡大による経営状況の変化が生じても、それだけでは解雇の正当事由に該当しない。勤務調整や雇用調整助成金の活用など、解雇以外の解決方法を尽くすことが必要。やむを得ず解雇を選択せざるを得ない場合でも、決められた手続きを踏まなければならない(有期雇用のスタッフの雇止めやパート・アルバイトの解雇の場合も同様)。

 

診療収入が減り資金が必要 融資など使える制度は?

保証

セーフティネット保証4号・5号
◆4号の対象:売上高が前年同月比20%以上減少等の場合(100%保証)
◆5号の対象:売上高等が前年同期比で5%以上減少等の場合(80%保証)
◆保証限度額(4・5号共通):一般保証(2億8000万円以内)とは別枠で保証(2億8000万円以内)
※4号、5号併用可
※保証料・金利減免の措置が用意される予定
◆問い合わせ先:最寄りの信用保証協会

融資

新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)
◆対象:最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少しているなど、複数要件のいずれかに該当
◆限度額:6000万円(無担保)
◆貸付利率:3000万円までは当初3年間は基準利率マイナス0.9%。利子補給により実質無利子とされる予定
◆返済期間:設備20年以内、運転15年以内(いずれも据置期間5年以内)
◆詳細は日本政策金融公庫のホームページ

医療関係施設等に対する優遇融資
(独立行政法人福祉医療機構)
◆利用できる具体例:施設利用者や従業員が感染したためやむなく営業を停止した場合、事業運営を縮小した場合、自治体などからの要請を受けて休業した場合など。
◆限度額:4000万円(新規貸付(診療所))
◆貸付利率:当初5年間無利子、6年目以降0.2%
◆返済期間:10年以内(据置期間5年以内)
◆詳細は、独立行政法人福祉医療機構のホームページ。

給付

持続化給付金
◆対象:売上が前年同月比で50%以上減少している事業者
◆給付上限:法人200万円・個人事業者等100万円
◆問い合わせ先:中小企業金融・給付金相談窓口(0570-783183)
※詳細は4月最終週に公開
税金、社会保険料等の支払猶予
 一定の要件に該当する場合に猶予が認められる。
 詳細は、税金については国税局、保険料については日本年金機構、各保険者、自治体のホームページを参照

以上