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コロナ禍と医療現場

奮闘する医科・歯科診療所
―第1波に直面して

全国保険医新聞2020年6月5日号より)
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 長期化する新型コロナ感染症対策。第1波では全国に感染が拡大し、医療現場では院内感染防止と通常診療継続の両立が困難となった。感染防護具が不足する中、医療従事者は極度の緊張状態が続き疲労を蓄積している。第2波、第3波に備えて何が求められるか。奮闘する医療現場の取り組みを伝えていく。

 

奮闘現場の一助に ― 石川協会会長 三宅 靖

ガウン、キャップ、ゴーグルを装着し
診察する三宅医師

 新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するにあたり、最優先に考えなければならないのは医療崩壊の回避である。もとより感染症指定医療機関等は医療供給体制に余裕があったわけではない。その中でも呼吸器内科というのはもっとも厳しい状況の中で診療を行ってきた領域の一つである。そこに今回のコロナウイルス感染症が加われば瞬時に危機的状況になることは想像に難くない。
 医療崩壊回避のために自分に何ができるのであろうか。開業前には呼吸器内科医として勤務していた身としては、感染症指定医療機関等でまさに新型コロナウイルス感染症と日々戦っている方々の負担を少しでも軽減するための一助となりたいとの思いがある。それにはまずは足元の定期通院の慢性疾患患者をしっかりと管理すべきである。
 間違ってもこの時期に急性増悪で入院などという事態にならないように、あらためて服薬や日常生活の指導を強く行っている。感染への怖れ等から電話再診で投薬のみを希望される場合も電話口での指導に加え、薬を取りに来られた時に直接様子を聞き取って再度指導している。
 また発熱・咳嗽等の患者であってもマスク、ガウン、帽子、手袋、ゴーグルを装備して診察し、胸部単純写真、採血等にて新型コロナウイルス感染症の確率が低いと考えられる場合には可能な限り自院で治療することとしている。
 一人ができることはわずかでもそれを積み重ねてこの難局に立ち向かわねばならない。
 新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するにあたり、最優先に考えなければならないのは医療崩壊の回避である。もとより感染症指定医療機関等は医療供給体制に余裕があったわけではない。その中でも呼吸器内科というのはもっとも厳しい状況の中で診療を行ってきた領域の一つである。そこに今回のコロナウイルス感染症が加われば瞬時に危機的状況になることは想像に難くない。
 医療崩壊回避のために自分に何ができるのであろうか。開業前には呼吸器内科医として勤務していた身としては、感染症指定医療機関等でまさに新型コロナウイルス感染症と日々戦っている方々の負担を少しでも軽減するための一助となりたいとの思いがある。それにはまずは足元の定期通院の慢性疾患患者をしっかりと管理すべきである。  
 間違ってもこの時期に急性増悪で入院などという事態にならないように、あらためて服薬や日常生活の指導を強く行っている。感染への怖れ等から電話再診で投薬のみを希望される場合も電話口での指導に加え、薬を取りに来られた時に直接様子を聞き取って再度指導している。
 また発熱・咳嗽等の患者であってもマスク、ガウン、帽子、手袋、ゴーグルを装備して診察し、胸部単純写真、採血等にて新型コロナウイルス感染症の確率が低いと考えられる場合には可能な限り自院で治療することとしている。
 一人ができることはわずかでもそれを積み重ねてこの難局に立ち向かわねばならない。

 

防護具不足、ポリ袋で代用 ― 長崎協会会長 本田孝也

ポリ袋をかぶり窓越しに診察する本田理事

 4月に新型コロナウイルス感染症は全国で急速に拡大し、長崎でも4例目の新規感染者が発生した。住民の緊張感は一気に高まり、噂が噂を呼び、外来から患者が遠のいた。
 それでも具合が悪い患者は外来を受診する。「熱のある方は院内に入らず、お電話ください」と張り紙をしてもなかなか徹底できない。張り紙を増やし、入り口を見張って発熱者は院内ではなく駐車場の車の中で診察することにした。
 ところが個人用防護具が足りない。マスクは何とか在庫があったものの、防護服はおろかフェイスガードもない。業者に問い合わせても全く入荷の目途がたたないという返事。困った。そんな時に目にとまったのは東京で開業する友人医師のフェイスブックだった。
 ごみ袋用の透明ポリ袋をすっぽりかぶった友人の写真をみて、これだ!と膝を打った。さっそく近くの百貨店で45リットルサイズのポリ袋を購入した。かぶってみると中々調子がよい。上半身から腰まですっぽり覆われるので防護性が高い。数分なら息も大丈夫である。息で曇るのが難点だが、診察するのには問題ない。一緒に購入した使い捨ての家庭用のロング手袋は肘の上まで覆ってくれて使い勝手がよい。
 念のために専門家にも相談した。「車の窓越しに診察するのであれば、防護性は十分であろう。ただし、手袋、ポリ袋を脱ぐときに白衣を汚染しないように注意が必要である」との意見をもらった。個人用防護具の供給体制が回復するまで、もう少し、ポリ袋で頑張りたい。

 

口腔ケア放置で重症化懸念 ― 大阪歯科協会理事長 小澤 力

感染予防に留意しながら診療を継続している小澤理事

 当院では従来から、外来でも訪問診療でも、歯科治療に入る前に歯科医師、歯科衛生士によるプロフェッショナルケア、義歯の消毒を行なってきました。それが歯科治療時の感染予防手段の1つと考えているからです。
 厚労省の通知等を受け新型コロナへの対応をスタッフと話し合った時、25歳になる衛生士が「今までだってウイルスや細菌感染については、学校でも、現場でもその前提でやってきたじゃないですか」と言ってくれたことが、私や他のスタッフにとって大きな力になりました。受付スタッフも「『不要不急』の歯科治療なんてない。必要やから、ちゃんと来いやと言って予約してもらうのに」と怒り出しました。
 結果当院では、「うつらない、うつさない」を合言葉に、リスクへの対応はお互いに知恵を出しあって、今までどうり診療をすることにしました。ただ、協会のアンケートでは、診療を手控える先生と従来どうり診療する先生の数は半々で、医院の方針が真っ二つに分かれています。当院も含め、同じなのは、患者さんの減少や、衛生材料がいつ不足するか、収入がどうなっていくのか、この予防体制(果てしない重装備化)に耐えていけるのか等心が休まるいとまがないということです。第2波、第3波にどう対応していくべきかも含め課題は尽きません。
 「木を見て森を見ず」という諺がありますが、新型コロナウイルスだけに目を奪われて、放置することで発生したり重症化する口腔疾患や、全身疾患への悪影響をしっかり見据えて、今は日々の診療を行なっていこうと決意してます。
 政府に一言。「自粛を決めたのはあなた。だから責任もあなた」はやめて下さい。これ以上「社会」を壊さないで下さい。
 “There really is such a thing as society”(確かに社会なるものは存在するのです)

 

右より住江会長、東京協会の須田会長、
廉(ヨム)氏
(5月15日、厚生労働記者会)

韓国企業団が防護服寄贈 1,000枚東京協会へ

 日本で経済活動を行う駐日韓国企業連合会より、東京協会に防護服1,000枚が寄贈された。5月15日、厚生労働記者会で会見とともに、同連合会に加盟するe-コーポレーション.JP(株)の廉宗淳(ヨム・ジョンスン)社長らから東京協会の須田昭夫会長に防護服が手渡された。保団連の住江憲勇会長も同席した。住江会長は「2018年に韓国のIT化されたレセプト審査の実態などを視察した。その際にコーディネーターを務めたのが廉氏である。そのご縁で今回の支援が実現した」と謝辞を述べた。
 1,000枚の防護服は、東京都医師会が設置しているPCR検査。

以上