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2次補正 医療機関支援を 確実かつ迅速に医療現場に
厚労省医政局総務課企画官に聞く

全国保険医新聞2020年7月5日号より)

 

医療機関への支援策を説明する
高宮氏(6月24日、厚労省)

 6月12日に成立した2次補正予算では、新型コロナ対策で緊急包括支援交付金が約2兆2000億兆円に増額され医科・歯科診療所、病院向けの支援策が盛り込まれた。保団連は2次補正予算で盛り込まれた医療機関支援策を確実かつ迅速に医療現場に届けるとともに、減収補填などの財政措置を実施するよう引き続き求めている。同施策を担当する厚労省医政局総務課の高宮裕介企画官に支援策の特徴を聞いた。

 

 医科・歯科無床診療所の感染拡大防止等のための費用を100万円を上限に補助する。上限額まで利用して感染防止対策を取りながら必要な医療を継続してほしい。
 できるだけ早く支援金が医療機関に届くよう概算で申請を受け付け、交付した上で事後的に精算することができる仕組みとした。また、4月1日に遡及して適用する。既に発生した経費だけでなく、来年3月末まで発生する経費も概算で支払う。各都道府県での補正予算成立を経て8月下旬から支給できるよう調整中である。
 病院には空床確保などの単価を引き上げ、遡及適用する。また、救急・周産期・小児医療の支援金を設けた。

―予備費を活用し医療確保を

 緊急経済対策で、さらなる対応が必要な場合は包括支援交付金の増額などを行うとしている。必要がある場合は対応を検討する。

―医療機関の経営状況の認識は

 保団連が実施したアンケートでも患者の減少等により医療機関の経営が厳しいことは理解している。
2次補正を検討する際に医療関係団体の調査結果を見ながら検討してきた。空床確保補助を大幅に拡充し、感染防止と診療体制維持の支援金も設けた。支援金は、感染防止措置を講じながら必要な医療を継続するための費用も対象である。まずはこれらの施策を活用してほしい。
また、コロナ対応のための診療報酬の特例対応も実施した。
引き続き患者動向やレセプトなどデータを見て医療機関の経営状況を注視していく。

―患者の健康悪化の認識は

 必要な受診が行われず健康悪化が生じていないか懸念している。データを見ながら実際の影響を注視していきたい。
コロナ対応と一般の医療を両立していくことが重要な局面だ。
6月19日に通知した「今後の医療提供体制」でコロナ病床確保の方針を示した。都道府県に必要なコロナ病床確保を求めるとともに、一般の医療提供に配慮しながらコロナ対応を検討してもらう。
「コロナ禍と医療現場」シリーズを拝読し、各医療機関で感染防止措置を取りながら必要な医療を継続していただいていることに感謝している。延期していた手術・検査、予防接種や健康診断なども感染防止措置を継続しながら再開していただきたい。

 


申請簡素化、対象拡大を 保団連が要請

 保団連は6月18日、2次補正に措置された医療機関支援策について「柔軟で、確実かつ迅速な執行」を求め国に要請。申請方法の簡素化、支援金の対象を幅広く認めることなどを求めた。また、保団連は同日、医科・歯科医療機関が経営破綻をきたさないよう、減収額に応じた医科・歯科医療機関への概算払いや支援金の制度を設けるなどの措置を早急に行うことを求めた。

以上

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