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基金、国保4月分、医科・歯科で前年比3215億円減
 東京は医科外来24%、歯科27%マイナス

全国保険医新聞2020年7月25日号より)

 

支払基金、国保、後期高齢
4月診療分の増減(前年同月比)

 支払基金と国保中央会は4月診療分の確定件数・点数を発表した。入院、外来、歯科ともに前年同月に比べ件数・点数が落ち込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕著だ。さらなる医療崩壊を防ぐために速やかな財政措置が不可欠だ。

 

 点数では、入院が基金7.3%減、国保7.1%減、後期高齢5.7%減だ。医科外来がそれぞれ16.9%減、13.7%減、10.1%減だ。歯科が同じく、13.3%減、19.3%減、17.2%減となった。
 基金と国保の確定点数を金額に換算し前年同月と比較すると、入院は908億円減、医科外来は1893億円減、歯科は414億円減となる。医科、歯科合わせて、3215億円もの減少だ。
 都道府県別の基金の点数を見ると、医科外来では、東京都24.2%減、福井県24.0%減。歯科では、東京都26.8%減、神奈川県20.7%減となっている。地域で第一線医療を担っている医科・歯科診療所の減収率が大きいことが予想される。
 安倍首相は国会答弁で「コロナ対応を行う医療機関や地域の医療を支える医療機関に強力な支援を行う」と表明している。しかし、第2次補正予算では、感染者を受け入れていない医療機関への支援策は、@感染防止対策の実費補填(期間は20年度、上限は無床診100万円、有床診200万円)A医療従事者への慰労金(1人5万円)―のみだ。持続化給付金、家賃補助はあるが、減収50%などハードルが高い。
 感染者を受け入れた病院も財政危機だ。全国133の大学病院で4、5月合わせて313億円の損失だ。

 

概算払いを認めていれば

 保団連や日本医師会、病院団体が過去の診療実績による概算払いを求めていたが、政府は「災害時とは違う」として拒否している。4月から概算払いを認めていれば、新型コロナ対応で生じた追加支出への支援でよく、複雑な支援金の支給で都道府県と医療機関に膨大な実務負担を課すこともなかった。
ここまで生じた地域医療の弱体化に対する財政措置はもちろん、第2波でさらなる医療崩壊の危機となった時に備え、速やかに概算払いを決断すべきである。

 

以上

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