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患者さんにお伝えください。今までどおり、保険証で受診できます
 折り込みポスターご活用ください

全国保険医新聞2020年7月25日号より)

 

「すこやか家族」折込ポスター
(クリックすると大きく表示されます)

 8月の国保証、後期高齢者被保険者証の更新時に「2021年3月からマイナンバーカードを健康保険証として利用できる」との案内をしている自治体があります。

 

カード紛失など起きかねない

 医療機関を受診する際にマイナンバーカードが必要だと患者さんが勘違いしてしまったり、そのためにカードを作ってしまったりする恐れがあります。
マイナンバーカードを持ち歩くことで、院内での置き忘れや紛失も起きかねません。
保団連では、マイナンバーカードの強引な普及と、同カードを用いたオンライン資格確認に反対しています。
「保険証で今までどおり受診できる」「受診にマイナンバーカードは不要」と知らせるポスターを作成し、本紙に折り込みました。ぜひ、医療機関の待合室に掲示しご利用ください。

 


 

解説 マイナンバーカードの保険証利用
―リーダー、補助金申請は慎重に

 2021年3月に開始予定のマイナンバーカードの保険証利用(オンライン資格確認)に向けて準備が進められている。補助事業を担う支払基金では8月から顔認証付きカードリーダーの申し込み、11月から補助金申請を開始予定だ。医療機関での導入・対応は任意であるとともに、同カードでの受診はトラブルや事務負担増も懸念される。リーダー申し込み・補助金申請は慎重な検討が必要だ。

 

カード利用は義務ではない

 厚労省、支払基金が医療機関向けの案内サイトなどで示すように、医療機関においてオンライン資格確認システムを導入する義務はない。あくまでシステム導入は医療機関の任意だ。システムを導入しなくても、医療機関に不利益や罰則はない。導入の有無にかかわらず、引き続き患者は保険証で受診可能であり、医療機関における保険証の目視による資格確認も認められる。審査支払機関などからの保険証の資格切れの照会に際しては、従来同様、患者の受診月に際して保険証を確認した旨を伝えればよい。

 

顔認証リーダーを利用

 マイナンバーカードでの受診に対応する場合、本人確認の仕方は目視、暗証番号(4桁)でもよいが、基本的には顔認証付きカードリーダーを使用した流れが想定されている。
 医療機関の受付などに備え付けたカメラ内臓のカードリーダーに患者が顔を映し、マイナンバーカードの写真と照合して本人確認を行うものだ。合わせて、リーダーがカードのICチップから読み取った個人識別情報がオンライン請求回線を通じて、審査支払機関(支払基金、国保中央会)が管理する患者の資格情報(氏名、生年月日、保険加入状況や負担割合等)の履歴と照会される。照会結果の返信を受けた医療機関が、患者の資格情報を確認する流れとなる。

 

補助を受けたらマイナ受診整備前提

 オンライン資格確認システムを導入する場合、カメラ内蔵カードリーダーは支払基金から無償で提供される。リーダーに接続する専用端末(PC)、オンライン請求回線の導入・整備やレセコン・電子カルテ改修等にかかる費用(43万円程度)について、診療所に対して最大32万円まで補助される。全て必要とする場合、10万円程度は医療機関の負担だ。カメラ内蔵カードリーダーを導入せず、オンライン請求のみ開始する場合の導入経費については補助対象外となる。導入後のセキュリティ対策や故障対応などシステム維持に伴う費用も補助対象外となる。
 支払基金からリーダーを受け取ったり、補助を受けた後、医療機関がマイナンバーカードで受診できる体制を整備しない場合、リーダー費用相当額や補助金の返還(最大全額)を求める場合があるとしており、申し込み・申請には注意が必要である。
 マイナンバーカードでの受診は、医療機関内におけるカードの紛失・盗難騒ぎ、番号漏洩のトラブルのリスクが格段に高まる。機器操作に不慣れな方への職員の手助けなど職員の多忙化にも拍車をかける。リーダー申し込み、補助金申請については慎重に検討いただきたい。

以上

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