特養あずみの里「業務上過失致死」 准看護師 無罪が確定
医学検証不足の起訴反省を
(全国保険医新聞2020年8月25日号より)
保団連も支援する特養あずみの里裁判は、7月28日に東京高裁で判決が言い渡され、一審の有罪判決を破棄し、被告の准看護師の逆転無罪を言い渡した。
裁判は、おやつのドーナツをのどに詰まらせたとして、事件当日に体調が急変した利用者の隣で全介護が必要な別の方の介護をしていた被告が業務上過失致死に問われたものであるが、高裁判決は被告に過失責任はないことを明確にした。
本裁判は、介護施設で食事中の利用者の異変について、警察が事件性や亡くなった利用者の死因について医学的検討を十分にすることなく立件し、警察の杜撰な捜査をチェックすべき検察も安易に起訴したもので、起訴そのものが反省されるべき事案である。
保団連は、東京高裁に「公正な審理を求める」声明を2月に発表するとともに、無罪判決を求める要請署名を8協会1,958人分東京高裁へ提出した(長野協会集約分は除く)。また、2019年8月30日に東京高裁内の司法記者クラブでの弁護団による記者会見に住江会長が同席した。
「無罪を勝ち取る会」は一審、二審を通じて約73万筆の署名を集約している。
保団連は、8月4日に東京高等検察庁に「上告を断念するよう強く求める」要請書を提出した。東京高検は、期限の8月11日までに上告をしなかったため、二審の無罪判決が確定した。
以上