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令和2年度指導・監査方針
コロナ感染拡大防止で集団的個別指導は中止

全国保険医新聞2020年9月5日号より)

 

病院の指導等は緊急時に限定

 厚労省は7月2日、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言解除に伴う指導・監査等の取扱いについて」を発出し、今年度の指導、監査等の実施方針を示した。感染防止の観点から病院の個別指導、監査は緊急時に限定し、集団的個別指導は中止するとされた。コロナ対応で診療報酬臨時取扱いの事務連絡が多数出されている。保団連は、国の責任で改定内容等を医療機関に周知することを求めている。

 

 今年度の個別指導等に関しては、各都道府県で予定は明らかにされていたものの、この間の新型コロナウイルス感染拡大、政府の緊急事態宣言の発令に伴い実施が見送られてきた。
 厚労省は今回の事務連絡発出により、5月25日に緊急事態宣言解除後も、依然として感染拡大の収束の目途が立たない状況のもと、今後の個別指導等の実施について一定の方針を示した形だ。

 

協会の要望が一部実現

 同方針では、@集団的個別指導の中止やA指定時、更新時及び保険医等集団指導の資料配布による「みなし」実施、B病院への個別指導、監査は緊急時に限る旨などが示された。
 特に集団的個別指導については、千葉、埼玉、大阪の各協会が、指導、監査の手法そのものが「3密」状況を作り出し、感染拡大を引き起こす懸念があるとの観点から当面の実施中止を要請しており、今回の中止措置はこれらの協会の要請が一部、実を結んだ形だ。

 

国の責任で改定内容の周知を

 今年は診療報酬改定年度でもある。しかしコロナウイルス感染拡大に伴い、厚生局のみならず各協会の点数説明会も中止を余儀なくされた。
 「新型コロナウイルスに関する診療報酬の臨時的取扱い」に係る事務連絡が次々と発出されており、医療機関は大きな負担を強いられている。医療機関が、改定内容を正しく理解し、カルテを不備なく記載する事は極めて困難な状況だ。厚労省は改定時の集団指導のオンラインによる実施等も含めて医療機関が改定内容を理解するための機会を確保する責任がある。

以上

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