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診療報酬―保団連の視点

医科:オンライン診療料

全国保険医新聞2020年9月25日号より)

 

 保団連は、地域医療の打開に向けて診療報酬の引き上げや適正な評価を求めている。20年改定の不合理改善などシリーズで解説する。

 

 オンライン診療料に関しては、今回改定で対象患者の拡大やオンライン診療を実施するに当たり事前に求められる対面診療の期間が短縮された。ただ、緊急時から概ね30分以内に対面診療を可能とする体制は引き続き要件として求められ、一定の制限がかかる状況に変わりはない。
 薬剤の処方については、保険外併用療養費として郵送料が自費で徴収となったほか、在宅診療等の場合で予め診療方針を診療計画に示せば、対面診療時と同一な疾患や症状から発症が容易に予測される症状の変化に対しても投薬を行える取り扱いとなった。
 他方この問、都市部を中心とした民間営利企業のビジネス拡大に向けた提言が規制改革会議や国家戦略特区諮問会議を始めとした政府会議で活発に行われている。その中で、当初は新型コロナウイルス感染防止対策の時限的な措置とされていた初診時からのオンライン診療解禁が、国家戦略特区の新たな提案として挙げられている点には警戒が必要だ。
 そもそもオンライン診療の取扱いは、安全性・有効性に鑑み、対象疾患に関わる医師や学会等が実施した調査・分析結果に基づき、医療者が参加するオンライン指針検討会や中医協で十分な議論が尽くされたうえで決められるべきである。先述の国家戦略特区諮問会議には、議員に医療者はおらず、そうした状況の下で検討が進められることは極めて問題だ。
 保団連は引き続き、医学的エビデンスに基づく慎重な議論の実施が重要とのスタンスに基づき、拙速な適用拡大には反対すべく、引き続き動向を注視する。

以上

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