コロナ減収 全ての医療機関に支援を
(全国保険医新聞2020年10月5日号より)
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で生じた患者減等による収入減に対し、保団連は減収補填を求めてきた。
9月15日には、2次補正予算の予備費のうち1兆1946億円を医療提供体制の確保にあてると閣議決定されたものの、支援は新型コロナ感染者(疑いを含む)に対応する医療機関に限られた。
しかし、コロナ対応の有無にかかわらず医療機関は減収となっている上、秋冬に予想される感染者の増加に向けて、コロナ対応のみならず、歯科を含めた通常の医療提供体制の確保も必要だ。全ての医療機関を対象とする財政措置をとるべきである。
今必要なのは、まず、空床補填、慰労金、感染防止対策費など2次補正予算に盛り込まれた各種支援交付金を、早急に支給することである。
厚労省の調査によれば、遅いところでは、慰労金の交付開始が10月下旬、病院への空床補填も10月中旬という都道府県もある。これらの支援金を受け取っても減収による経営難を補えない医療機関には、新たな補填策が早急に必要だ。
これまでに決められた交付金による医療機関支援は、煩雑な手続き等により支給に時間がかかる。そのため、今後感染者が増加し医療機関にさらなる減収が生じた場合には、簡易・迅速な財政措置策である診療報酬の概算払いを認めるべきだ。
概算払いをしてもコロナ対応で損失が出る医療機関には、追加の措置も必要である。
以上