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マイナカード保険証利用 来年3月開始の状況見て検討を

全国保険医新聞2020年10月5日号より)

 

当面は様子見を推奨

 2021年3月開始予定のマイナンバーカードの保険証利用に向けて、支払基金は8月から、医療機関の窓口などで備え付ける顔認証付きカードリーダーの交付申込を受け付けている。患者が院内でカードを紛失するなどのリスクなどが懸念され、慎重な判断が必要だ。

 

義務ではない

 マイナンバーカードの保険証利用、いわゆるオンライン資格確認は、医療機関の義務ではない。従来通り、患者が持参した保険証を目視で確認する資格確認は認められている。
オンライン資格確認に対応する場合、支払基金からの顔認証付きカードリーダーの受け取りは無償だが、必要となる専用端末などの周辺機器やレセプトオンライン請求回線を整備する場合、費用(40万円程度)に補助はあるが、診療所では費用の4分の1(10万円程度)の負担が求められる。維持費用も医療機関持ちとなる。

 

補助金申請期限は3年後

 オンライン資格確認システムを整備した場合でも、保険証の目視による資格確認は認められている。ただし、システム整備を行い補助金を受け取った場合、マイナンバーカードでの受診に対応できる体制を取らなかったり、患者がマイナンバーカードで受診を希望した時に拒否するような場合、補助金の返還が求められる。
 マイナンバーカードでの受診に対応する場合、マイナンバーカードを持参した患者に対する手助けや院内でのカード紛失・盗難など職員の負担増やトラブルも懸念される。来年5月から、保険証を使ったオンライン資格確認も開始されるため、マイナンバーカードを医療機関で取り扱う必要もなくなる。
 2023年3月末までにシステム整備していれば補助金の対象になる。来年3月の開始後の状況を見てから、自院での対応を慎重に検討することをお勧めしたい。

以上

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