新型コロナウイルスの感染拡大の下、初診からのオンライン診療が臨時的に解禁された。菅義偉首相は、恒久化を目指す方針を示しているが、疾患や重症化の見落としリスクなども指摘される。問題点や背景をシリーズで解説する。(4回連載)
2018年のオンライン診療料新設当初より規制改革会議や国家戦略特区諮問会議はオンライン診療の適用拡大を繰り返し要求してきた。当初は、糖尿病等の慢性疾患に対して、患者の経済的、時間的な負担軽減を目的に「対面診療と遠隔診療の適切な組み合わせ」による「効果的・効率的な医療の提供を目指す」と主張し、あくまで再診以降での積極的な活用を求めるものであった。
初診・解禁ありき 9月に就任した菅義偉首相も新型コロナ禍で明確化された主要課題に「デジタル化の推進」を挙げ、オンライン診療のさらなる推進の必要性を強調。菅内閣で厚労相に就任した田村憲久氏も前向きに検討する考えを示した。10月9日に田村憲久厚労相は、河野太郎規制改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相の3大臣で「安全性、信頼性をベースにオンライン診療を初診を含め原則解禁する」と合意したことを発表した。
医療現場は拙速な解禁に強い懸念 しかし、オンライン診療でどの程度の診療が可能かや、さまざまな疾患に対するエビデンスの蓄積など中医協等での検証は始まったばかりだ。 以上 |
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