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オンライン診療の検証B

オンライン診療は「夢の医療」か

全国保険医新聞2020年11月5日号より)

 

 新型コロナウイルスの感染拡大の下、初診からのオンライン診療が臨時的に解禁された。菅義偉首相は、恒久化を目指す方針を示しているが、疾患や重症化の見落としリスクなども指摘される。問題点や背景をシリーズで解説する。(4回連載)

 

 そもそも、オンライン診療は現時点でどの程度可能なのか。保団連は2018年11月にオンライン診療機器メーカーを招いた学習会を実施。その中でメーカーに医療機関での使用実態を中心とした事前のアンケート調査を行い、示唆に富む結果を得た。
 メーカー各社の事前質問への回答では、オンライン診療を実施する医療機関の診療内容の実態として、病状が安定している患者からの「特に変わりがない」ことを確認する以上の対応はほとんど行っていないこと、また、患者の病状変化による診療は、対面診療の推奨に留まる点などが報告された。結果として、現時点でオンライン診療が果たすことのできるのは「病状に変化のない患者からの電話再診」の範囲を越えないことが明らかとなっている。

 

対面の補完を超えない

 こうした点から、保団連はオンライン診療に関する現時点の評価として、あくまでも「対面診療」を補完する以上の役割は果たせず、その範囲を超えた診療への保険適用の拡大には、明確な医学的エビデンスがない限り極めて慎重に検討すべきと指摘してきた。
 その上で「オンライン相談」による「受診勧奨」など、保険診療「以外」の部分にオンライン診療の運用は推奨されるべきと結論付けた。
 ただ、各種報道では、オンライン診療の「限界」に触れた報道は少なく、あくまでも患者の利便性の向上に焦点を当てたものが目立つ。過去にはあたかも患者の病状の変化にも対応できる「夢の医療」と言わんばかりの報道もあった。これらの報道は明らかにオンライン診療を導入している医療機関の実態とはかけ離れている。多くの患者・国民に誤解を生むものであり問題だ。

以上

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