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マイナンバーカードの保険証利用 無期限延期を求める
システム運用の根幹に問題

全国保険医新聞2021年4月15日号

 

本格開始を延期

 3月下旬から本格運用を開始するとしていたマイナンバーカードの保険証利用は、患者の情報が確認できないなどのトラブルにより、開始が「10月までに」延期されることとなった。
 3月上旬から実施している先行運用(24都道府県の54施設)では、実際の資格情報と一致しなかったり、「情報が登録されていない」と表示されたりするなどのケースが相次いでいる。他人の医療情報が医療機関の端末に示される恐れや、現在判明している以外の未知のデータ精度の問題が存在する可能性なども指摘されている。
 厚労省は原因として、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う保険者のデータ登録・確認等の遅れ、登録したマイナンバーの誤り、被保険者番号が正確ではないなど登録・管理データの不備・誤りなどを報告している。正確なデータ登録・管理ができていないことは、オンラインによる資格確認システム運用の根幹に関わる問題であり、制度の決定的な欠陥である。

 

日程ありきの対応

 さらに10月までの延期にしても、薬剤情報の閲覧開始予定を10月とした従前の政府方針に基づく、日程ありきの対応である。マイナンバーカードの保険証利用についてはいったん無期限に延期すべきである。
 政府は、保険証として利用できる宣伝をしてきた以上、政府には当面、マイナンバーカードは保険証として利用できないことについて、患者・国民に周知徹底すべき責任がある。また、今回のトラブル等によりマイナンバーカードの保険証利用は導入しないとした医療機関からのカードリーダーの申請キャンセルや、いったん受け取ったカードリーダー返却などにも無条件で応じるべきである。
 保団連は3月26日に声明を発表。医療情報とマイナンバーの紐づけがなし崩し的に拡大される事態につながるマイナンバーカードの保険証利用、医療・社会保障の抑制・削減、国民監視・行動統制等に利活用される危険性が強いマイナンバー制度の利用推進・拡大に強く反対するとした。

以上

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