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社会保障財源を考える@変わる世界の税制潮流

全国保険医新聞2021年6月5日号

 

 新型コロナウイルス危機が続く中、今後のコロナ対策の財源、社会保障や生活・経済の再建に向けた財源確保も課題となる。消費税増税に頼らない保団連の財源提案を連載で解説する。第1回は、コロナ禍で変化の兆しを見せ始めた世界の税制潮流を紹介する。(随時掲載)

 

法人税増税へ

 新自由主義が世界を席巻する中、先進諸国で構成する経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の法人税率は1981年の48%から2020年には23%に半減した。減税に伴い財政が悪化し、医療・社会保障も弱体化された。コロナ危機で矛盾が顕在化する中、多国籍企業や富裕層に税逃れを許さないとする市民の声が強まっている。こうした中、大企業減税競争の先頭に立ってきた米国、英国政府では、法人税率を引き上げる方向に方針転換しつつある。
 英国は、半世紀ぶりに法人税増税を決めた。米国では、バイデン政権が、トランプ前政権が大幅に下げた法人税を引き上げる方針を打ち出した。多国籍企業の子会社に課す最低税率引き上げなども含め、15年間で約2兆5000億ドル(275兆円)の増収を見込む。

 

富裕層にも 

 コロナ禍で貧富の格差がさらに拡大する中、富裕層増税の流れも強まっている。米国では、所得税の最高税率を引き上げるとともに、金融所得(株式配当・売却益)などに対する税率を20%から40%近くに引き上げる方針だ。英国では、金融所得課税の基礎控除を圧縮し、課税対象者を増やし増収を狙う。カナダでは、高級車、船舶、自家用機に10〜20%の「ぜいたく税」を導入するとともに、税逃れが目立つデジタル・サービス売り上げに3%の税率を課す(表)。
 日本でも、経済財政諮問会議(4月26日)では、民間議員が「格差是正とか所得再配分は世界的な潮流になっている」と指摘し、法人税の国際最低税率や株式売却益や資産課税について、「タブーなく検討していただきたい」と発言している。大企業と富裕層が応分に負担する公正な税制に向けて、早急な検討が望まれる。

以上

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