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国の無計画現場にひずみ コロナワクチン各地で供給不足

全国保険医新聞2021年7月25日号より)

 

千葉協会が実施した県内自治体へのワクチン接種状況に関する調査は、中間発表がNHKニュースで報じられるなど、大きく注目された

 新型コロナウイルスの新規感染者数は東京都内で1,000人を超え、「第5波」に突入したとみられる。感染収束にはワクチン接種の拡大が欠かせず、医療機関は日常診療を維持しながら接種に尽力してきた。6月25日には1日134万回の接種を実現したものの、7月に入ってから、国からのワクチンの供給不足のため予約の停止やキャンセルをする自治体が続出。医療機関への供給も不足し、混乱が続いている。国は、こうした事態に陥った説明責任を果たすとともに、自治体、医療機関が希望するワクチンの総量を確保すべきだ。

 

 ワクチン供給不足による混乱は全国に広がっている。全国知事会は7月11日に出した緊急提言で「市区町村は国の方針に基づきワクチン接種に全力を挙げてきたのにハシゴを外されて混乱していると、政府は厳しく認識すべき」と批判した。

 

協会・保団連が要請

 京都協会は7月1日に、現場の混乱を伝えた上でワクチンの需要過多に陥った理由や今後の供給計画などを尋ねる質問状を、菅首相などに送った。大阪協会も7月9日に緊急要請書を提出。国民への説明責任を果たすこととワクチン不足の早急な解消を求めている。
 全国保険医団体連合会(保団連)は7月6日に要請書を菅首相、河野太郎新型コロナウイルスワクチン接種担当大臣などに提出。自治体が希望するワクチンの総量確保、職域接種へのファイザー社のワクチン活用はせずモデルナ社のワクチンを確保すること、自治体への連絡や相談を強めることなどを求めた。

 

(写真)は、突然のワクチン供給減で接種予約者への連絡に奔走したという。状況を聞いた。

連絡に追われ職員は放心状態 大阪協会川ア美榮子

 7月2日に突然、次の2週間に接種予定の20バイヤルについて、14バイヤルしか届かないとの知らせがあった。予約済の方々100人近くにキャンセルや予約変更の電話をかけ、つながらないところには手紙を出すなど、お知らせに奔走した。
 職員は怒りを通り越して、放心状態だ。7月最終週以降に予約された方への電話はこれからだが、がっかりする接種希望者を見るのは辛い。
 ワクチン接種の遅れにより、変異株に対応できず、感染がさらに広がってしまうのではないかと心配だ。

以上

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