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開業医7割 自宅療養に対応―大阪協会が調査
急変時の搬送先確保など懸念

全国保険医新聞2021年9月15日号より)

 

 全国の新型コロナウイルス感染症の重症者数の増加は止まらず、新規感染者数もいまだ高い水準にある。病床逼迫を理由とする入院制限の方針も撤回されていない。自宅療養者が13万人を超える現状では、医療機関が総力をあげてコロナ対応にあたることが求められる。大阪協会が開業医会員を対象に実施したアンケートでは、7割超が自宅療養患者に対応すると回答した。この意思に応えた十分な医療提供ができる環境の整備が、政府に求められている。

 

政府・与党が招いたコロナ危機

 新型コロナの感染爆発と医療逼迫という「災害級」ともいえる今日の危機的状況を招いたのは、抜本的な対策に背を向け続けてきた政府・与党である。
 4回の緊急事態宣言を出しながら、検査の拡充や飲食店などの営業制限に対する十分な補償などを拒否してきた。国民に行動自粛を求める一方でそれと矛盾する東京五輪を強行開催したことで、8月には東京都で1日5,000人を超える感染爆発を招き、入院制限に突入した。さらに、菅義偉首相の「明かりが見え始めた」発言に代表される閣僚の現状認識の甘さも、事態の深刻化に拍車をかけた。

日常診療に加えコロナ対応に尽力

 こうした中、多くの医師は、日常診療に加えて、発熱患者の診療、検査、ワクチン接種などに努力してきた。さらに、大阪協会が8月に実施した調査(回答252件)では、自宅療養者への対応について66.3%が「対応する」と回答(図)。「条件次第」との回答も含めると74.6%となった。多くの業務を抱えながら、自宅療養者への対応にも力を尽くそうとする開業医の姿がうかがえる。
 自宅療養者に対応する上での懸念点について、「急変時の搬送先確保」が94.0%と圧倒的多数となり、次いで、「自身とスタッフの感染」(76.2%)、「休日夜間も含めた保健所の対応」(59.5%)と続いた(複数回答)。
 開業医が自宅療養者に対応するにあたっての必要な条件でも、91.7%が「急変時の搬送先確保」を挙げた。「入院の判断基準の明確化」(59.5%)、「患家へのパルスオキシメーター配布」(56.7%)、「休日夜間も含めた保健所の対応」(55.6%)、「感染した際の補償」(53.6%)と続く(複数回答)。

協力の意思生かせる緊急対策必要

 自宅療養中の死亡など、助かるはずの命が失われている現状では、医療機関がそれぞれの条件を生かして、総力をあげてコロナ対応をしていくことが不可欠だ。政府は、多くの医師の協力の意思に応え、重症化した際の搬送先確保、必要な資材の提供、財政支援、減収となった場合の補填などの措置をしっかりと行うべきである。

以上

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